探究型プログラミング学習(探プロ)

プログラミングの考え方を学んで、未来を創る力を手に入れる

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【ワークショップレポート】2017.08.21 ピタゴラ装置を作ろう! 3/3

会場入りしてお昼ごはんを食べて一休みしてからは、いよいよlittleBitsを使ったプログラミング体験です。

 

とーっても広い会場で、皆でワイワイと楽しみます。

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床でlittleBitsを組み立てるのは初のことで、私は少々やりづらかったのですが、子どもたちは全く気にならないようでした。

でも踏んで壊してしまいそうなのが怖かったけれど...

どの子も真剣でした。

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そして、littleBitsに慣れたところでいよいよピタゴラ装置を作ります。

ここで子どもたちに質問です。

午前中のフィールドワークで何を見た??

 

1人1つ、自分の見た中で作ってみたいものを考えてもらいました。

そして、それを順番に繋いでいきます。

その結果できたのがこれ。

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そう、どれも午前中のフィールドワークで目にしたものでした。

そして、これらを繋ぐことは即ち、午前中のフィールドワークそのものを追随できるピタゴラ装置を作ることでもあるのです。

なかなか無謀なチャレンジでしたが、こんな形になるなんて!

子どもたちさすがです。

 

設計ができたらあとは作るのみ。

用意された材料で個々人に仕上げていきます。

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あっという間に出来上がった子がいる一方で、苦戦する子、何度も何度も作り直す子、それぞれ個性があって面白かったです。

自分のところが完成しても、長さや高さが合わなくてうまく繋がらない...

そんなときに、自分の作品は絶対に変えようとしない子、相手に合わせようと汗をかく子、これもまたいろいろでした。

 

短時間だったので心配していましたが、なんとか無事につながって最後は大成功!!

そのときの様子はmanmaさんの動画でご覧ください。

www.facebook.com

 

みんなの力を合わせなければこれだけの作品は作れません。

プログラミングも然り。

最初のステップは小さくて自分の中で完結するものであっても、規模が大きくなるにつれて自分ひとりの力では作れなくなる。

そのとき、仲間とどうやって協力するか??

スムーズに繋げるためにはどうするか??

最初から一緒に作る、インタフェースを徹底的にすり合わせる、最後になんとか整合性をとる....などなど。

やり方はいろいろありそうです。

 

何れにしても知っておいてほしいことは、仲間と協力して1つのものを作る、というのはプログラミングにおいても重要なことである、ということです。

いつかそんな体験をするときがあったら、今日のワークショップを少しでも思い出してくれると嬉しいです。

 

フィールドワーク付きのワークショップはとっても楽しかったです。

でも暑い夏にやるのはちょっと大変...でした。(苦笑)

【ワークショップレポート】火星と通信しよう(2017/08/19)1/2

まもなく8月も終わろうとしていますが、この夏、お子さんと一緒にどんなワークショップへ参加しましたか?

探プロは今年の7月から8月の2ヶ月の間に、なんと9件ものワークショップをご提供してきました。

数をちゃんと把握していませんでしたが、毎週1件やっている計算になるのですから..忙しいわけですね(^^;;

 

ワークショップの大半はlittleBitsでしたが唯一、8/19にEdisonを使って「火星と通信しよう!」を実施しました。

これは7月に実施したトライアル版を拡張したものです。

dig-learning.hatenablog.com

 

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トライアルで実施したところ非常に好評だったので、内容をさらにブラッシュアップして臨みました。

大きな変更点としては

① myThingsの代わりにFirebaseを利用

② Edwareの代わりにEdBlocksを利用

③ フリープログラミングの代わりにEdison間通信の体験を追加

です。

 

①については、先日はYahoo! LODGEさんが会場だったこともあってmyThingsを適用したのですが、ワークショップで複数人が同時に使うには少々機能的に足りないところがあり、見直した経緯があります。

 

他の2つについては、レポートの中で解説しますね。

 

そんなわけで、当日は小学1年生から4年生までの3人の男の子が集まってくれました。

皆さん探プロのワークショップは初めてでしたが、ロボットプログラミングに関心をもって参加してくださったようです。

会場は私の母校でもあるK.I.T.虎ノ門大学院です。

50名くらい入る広々とした教室を独占させてもらいました!

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はじめは緊張気味だった子どもたちでしたが、Edisonを動かし始めると徐々にスイッチが入っていきます。

最初にEdisonの動かし方を簡単にレクチャーしたあと、アイスブレイクも兼ねてライントレースを体験しました。

保護者の方にも協力してもらい、床に黒いテープを貼ってオリジナルのコースを作ります。

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子どもたちが面白がって、どんどんあらぬ方向へとコースを増やしていきます(笑)

そしていざ!

と思ったらEdisonが動かない.......

どうやら床の色が暗かったせいで、テープを判別できなかったようです。

もちろん事前に動作することを確認していたのですが、確認が甘かったのですね...

 

残念。

ライントレースは最後にリベンジすることにして、次へ進みます。

 

このワークショップの設定は前回と同じで、火星にいる仲間を救うために、地球から火星のEdisonに信号を送ることがミッションとなっています。

そして、学習する要素は「インタフェース」であり、間をつなぐものが増えるほど伝えるのは難しくなる、です。

 

なので、インタフェースの話が理解できるように少しずつ進めていきます。

 

前回のトライアルからの変更点②に書いたように、今回は使うプログラミング環境を変えました。

最近公開されたばかりのEdBlocksは、Edwareと比べてより直感的にプログラミングできる作りになっています。

meetedison.com

ちなみにこのEdBlocksはEdison専用のプログラミング環境ですが、EdBlocks自体はScratch BlocksというMITとGoogleがコラボして開発しているオープンソースを使って作られています。

japan.cnet.com

いま、子ども向けプログラミング環境といえばScratchですが、Scratchよりもっと直感的に使いこなせるメリットがあります。

イメージ的にはScratch Jr.が近いですね。

www.scratchjr.org

 

でもEdisonでしか使えないプログラミング環境の使い方を覚えても...

と思われるかもしれませんが、先ほど書いたようにScratch Blocksはオープンソースなので、Scratch Blocksを使って作った他のプログラミング環境が増えてくれば、いわゆるプログラミング言語、プログラミング環境が変わっても違和感なく使いこなせるはずです。

 

EdBlocksを使ってプログラミングしたサンプルがこちら。

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なんとなく分かりますよね?

リモコンの1番、2番、3番を押すと、それぞれ違う動きをするようにプログラミングしてあります。

アイコンがEdisonの動きを分かりやすく描いてくれているのでとても分かりやすいです。

 

Edisonの動かし方がなんとなく分かったところで、今度は地球から遠く離れた火星との通信について考えます。

 

その2へ続く。

dig-learning.hatenablog.com

 

 

【ワークショップレポート】火星と通信しよう(2017/08/19)2/2

Edisonが遠く離れた火星にあったら??

実際の火星と通信するわけではありませんが、会場の一角を地球と火星に見立てて、離れていても命令がEdisonに届く様子を体験してもらいましょう。

 

とその前に。

自分のEdisonをレゴブロックを使ってデコレーションします。

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個人的に、Edisonの大きな魅力がこのレゴブロックを使ってカスタマイズできることだと思っています。

自分仕様に仕上げているうちに、だんだん愛着がわくんですよねー

 

火星のアンテナの近くに揃ったEdisons。

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ここで、地球にある司令コントローラーからEdisonが遠隔操作できることを学びます。

でもなんだか子どもたちの反応が薄い.......

ネットワーク越しにEdisonを動かしている感覚があまり持てなかったかな??

インターネット通信の部分が完全にブラックボックスになっているので、あまりピンとこなかったかもしれません。

見直しが必要です。

 

最後は、前回からの変更点③にあるEdison間通信の体験してもらいました。

実はEdBlocksを使うことで、EdisonとEdisonの間のインタフェース設計が簡単にできるようになりました。

個人的には、プログラミング学習教材としてこれほど画期的なことはないと思っています。

 

一般的なプログラミング教材は単独で使うことが大半なので、自分が作ったプログラムをロボットに読み込ませて動かす、というところを体験して終わります。

でもEdisonの場合、自分の作ったプログラムと、友だちが作ったプログラムを連結させてコラボレーションすることができるのです。

 

例えばこんな感じで使います。

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送信側のプログラムの最後に、青い封筒が見えますか?

そして、受信側の最初にも青い封筒があります。

 

こんな感じで、EdBlocksでは、封筒の色を使ってメッセージの送受信をする仕様になっています。

この仕様では、青の封筒が届くのを待っているEdisonに青の封筒を送れば受け取ってくれますが、緑の封筒を送っても無視されてしまいます。

これこそがインタフェース。

繋ぎ方を決めておかなければ伝わらないのです。

 

今回はその学びを伝言ゲームで体験してもらおうと思っていたのですが、参加者の子どもたちはもっと面白い遊びを思いつきました。

名付けて色当てゲーム!

うん、面白い。

そこで急遽プログラムを変更します。

 

まず、それぞれのEdisonは送信と受信それぞれのプログラムで使う封筒の色を決めます。

例えばAくんのEdisonには、青い封筒を送る送信プログラムと、緑の封筒を受けとる受信プログラムを読み込ませ

BくんのEdisonには、青い封筒を送る送信プログラムと、青の封筒を受けとる受信プログラムをつくったとします。

このとき、何色の封筒を使ったかはお互いに教えません。

 

そしていざ、向かい合って...

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送信役のEdisonが送信プログラムを実行!

さぁ、受信役のEdisonはその封筒を受け取ってくれるのか????

 

ここでやっているのは単なる色当てなので、繋がるかどうかは運でしかありません。

理想的には、必ず繋がるようにするにはどうする???

といった問いかけをして、お互いにコミュニケーションをとって封筒の色を調整し合う、といった流れができると良さそうです。

ここからが伝言ゲームですね。

 

1対1の戦いから、今度は4台のEdisonを使ってチャレンジ。

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ちなみに、EdisonとEdisonの間は赤外線を使って通信するのですが、子どもたちはいつの間にか、間にレゴブロックを置いて通信できるかどうかを試していました。

さすがです。

 

そんな遊びをやっているうちに3人の子どもたちが盛り上がってしまい、だんだんと三つ巴の戦いに(笑)

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もうこうなると、誰が送信役で誰が受信役なのか、何色の封筒がやりとりされているのかもさっぱり分かりませんが....子どもたちはとっても楽しそうだったのでまぁ、これもありですね(笑)

次回、上級者向けコースでやるときにはこれをアイスブレイクにして遊んでみようと思います。

 

赤外線通信からインターネット通信、そしてEdison間通信と辿りながら、それぞれの通信におけるインタフェースの重要性を体験してもらいました。

一度だけでは分かりづらいと思うので、観点を変えながら何度も体験してもらうのが良さそうです。

 

さて、ワークショップはここで終わり。

ですが、例のライントレースが残っていました!

子どもたちが色当てゲームに夢中になっている間、スタッフが一生懸命、床にあったコースをテーブルの上に移植してくれていました。

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普段は社会人の学生さんたちが勉強するために使う机ですが、こんな用途もあるんですね!(笑)

 

Edisonのセンサーが気まぐれなおかげで、すんなりとはいかなかったのですが、それでも皆のEdisonを走らせてみたら、なかなか面白い感じになりました。

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そして、コースはどんどん拡張されて、勝手の分かってきた子どもたちのテンションも上がっていきます。

youtu.be

テーブルの上ではコースが足りなくなってしまい、ついにこんなところにまで!

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なんて衝撃的!

子どもの発想ってすごいですね!

 

Edisonのトラブルもいくつかありましたが、最終的には皆んな楽しんでくれたようなので一安心です。

今回のワークショップを通じて、あらためてEdisonの可能性を実感することができました。

終了後にスタッフで振り返りをしたところ、面白いアイデアがたくさん!!

どうやらカリキュラム化してご提供できるようになりそうです。

早く作りたいなー

でも時間がとれるかなー・・・

 

littleBitsとは全然違うコンテンツが作れるのも探プロの面白いところです。

お披露目できるようになるまで、少しばかり時間をください。

 

今回のワークショップに向けて、Edisonを10台ほど揃えてあります。

ちょっと使ってみたい、などリクエストがあればご提供できますのでお気軽にお声がけください。

 

さぁ、頑張ってコンテンツ作ります!

 

 

@tanpro-lab