【コラム】探プロのアシスタントを子どもが務めるということ
2週間続けて実施した探プロのワークショップも小休止。
次回のワークショップに向けて仕込み中です。
まだお席がありますので、お時間のある方は是非お越しくださいね。
■2019年6月2日 変身する公園をつくろう!
■2019年6月9日 街をつくろう!
Blogで書きたいことはたくさんあるので、これから少しずつ書いていこうと思うのですが、最近の一番のトピックとして取り上げたいのが、探プロを手伝ってくれる小学生のアシスタントについてです。
探プロのワークショップでは、小学生が小学生をアシストするTA制度を導入しています。
TAといっても堅苦しいものではなく、当日のワークショップに参加する子供たちをサポートする頼もしい存在です。
先日は低学年向けのワークショップだったので、高学年の5年生から6年生の3名の子供たちに手伝ってもらいました。
ちなみに、わたしの息子も手伝ってくれていて、何度も参加している彼はもうベテランの域に達しています。
このTAは大人がやってももちろん良いのですが、参加者に近い年齢の子が近くでサポートすることにとても意味があると思っています。
子どもにとって、やはり年齢が近いお兄さん、お姉さんの方が安心して会話できるようですからね。
彼らに一番期待しているのは、littleBitsの使い方や考え方を「教える」のではなく、参加者が自ら答えに辿り着いたり、考えたりするために「問いかける」ことです。
大人はすぐに答えを知りたがるし、教えたがるのですよね。
先日、知人と話をしていてあらためて実感したのですが、いまの子供たちは自分で考える機会がとても少ないように感じます。
大人が忙しすぎるので、そうした中で、行くべき道も、問題の答えも、ぜんぶ先に与えられてしまう。
なんてもったいない、と思います。
探プロのワークショップに参加する子供たちを見ていると、自分で考えてみよう、と促した途端に目の色が変わって必死になることが多いです。
でも、傍にいる大人が手や口を出すと、良くないことがおこります。
最近ではだいぶ減りましたが、付き添いの大人の方が、「どうやってやるんですか?」と聞いてきたり、終了後に「もっとじっくり使い方を教えてほしかった」とフィードバックをくれたりするのです。
探プロのワークは、さほど難しいことをやっているわけではないので、時間内に考えて到達できるように作っています。
考える、というその時間をもっと楽しんでもらえると良いな、と心から願っています。
そんなこんなで、TAの子供たちの仕事は、参加者が考えることをサポートすることです。
これは結構、難しいです。
そして、こうやればいい、という正解があるわけでもないです。
相手によりけりなので、毎回やり方は変わるでしょうし。
私から彼らに伝えているのはこれだけです。
↓
「けっして、答えを言わないこと。みんなが考える手伝いをしてあげてほしい」
高学年とはいえまだまだ子どもです。
自分の知っていることを相手に伝える、だけでも難しいのに、相手に考えさせて答えに辿り着くようサポートする、というのはとても難しいことだと思います。
でも驚くべきことに、子どもたちはやれてしまうんですね。
とても自然に、手伝っている様子を見ていると感動すら覚えます。
回を重ねるごとに、周りをみて動けるようになり、余裕が生まれて、とても頼もしくなります。
こうした体験が彼ら彼女らにとって、大きな成長の第一歩になると良いな、と心から思っています。
プログラミングの考え方を学びながら、自分自身が学ぶだけでなく、人の役に立ち、コミュニケーション能力を高める体験までできるなんて素晴らしいと思いませんか?
そんなわけで、探プロのワークショップを手伝ってくれるTAを大募集しています!!!
理想は小学5年生以上(上は何歳でも可)ですが、それより下でも、やってみたい子は大歓迎!
やってみたいな、というお子さんは是非、こちらからエントリーしてください。
頂いた情報は、tanpro-labが責任をもってお預かりし、本活動以外の目的に使用しないことをお約束します。
(上のアドレスからエントリーしても情報が公開されることはありませんのでご安心ください)
なお、ワークショップのTAを務めてくれたお子さんには、ほんの気持ちですがお土産をお渡しします。
現金というわけにはいかないので・・・何をもらえるかはお楽しみに!
(お土産を探すのも私の楽しみの1つなのです)
エントリーして頂いたお子さんたちには、次回6月のワークショップに向けて事前に簡単なTA講座(無料)を受講して頂きます。
もちろん、6月には参加できないけど、いつかTAをやってみたい、という方でも構いません。
登録して頂いたメールアドレス宛に、ご連絡差し上げます。
ご応募お待ちしています!
【レポート】低学年向けマルチタスクワークショップ 2019.04.14
入園・入学シーズンも過ぎたというのに、まだまだ肌寒い日が続きますね。
そんな中9名の小学生が集まってくれて、先週に引き続き探プロのワークショップでした。
先週から引き続き参加してくれたお子さんや、なんとシドニーから来てくれた子まで。
今回のテーマは「マルチタスク」です。
一昔前には、仕事も家事も、同時にいろんな仕事をこなすマルチタスク型の人間がもてはやされたものですが、最近ではちょっと、事情が違うようです。
とはいえ、家事や仕事に追われる大人たちは、嫌でもマルチタスクを意識しなければ成り立たないわけですが。
逆に生産性が落ちる、というのは自分自身の体験を踏まえると、なんとなくわかります。
探プロが伝えたいのは
・シングルタスクでは時間がかかって効率が悪い
・じゃあマルチタスクでやればいい
・でも一人でやるマルチタスクには限界がある
・じゃあチームを作って役割分担すればいい
ということです。
これはコンピューターと同じ発想で、マルチプロセッサや分散コンピューティングの話につながります。
以前、とある小学校の5年生向けに、チームワークをテーマに探プロのワークショップをやったことがあります。
このときも、マルチタスクのメリット、デメリットを実感した上で、チームをつくることの意味を皆で考えたのでした。
今回はこのときのワークショップを低学年向けにアレンジし直したのですが、結局いつものようにほぼ全部作り直すことになりました。
子供たちの身近にあるマルチタスクって何だろう???とさんざん考えた結果、いきついたのは「お弁当作り」です。
スライドを見た子供たちからは
・野菜がない
・少ない、足りない
とブーイングの嵐でしたが(笑)
ワークショップの前半で、littleBitsを使ってマルチタスクとはどういうものかを学び、トータルで22分かかるお弁当づくりをどうすれば短縮できるだろう?
ということを皆で考えました。
おにぎり作りをタスクに分けると
・ごはんをよそってにぎる
・のりを巻く
です。
こんな感じで、全ての調理をタスクに分けて、どういう順番で作るのか?
どのタスクとどのタスクを並行して進めべきか?
ということを考えてもらいました。
先週に引き続き、今回も小学校高学年のお兄さん、お姉さんがアシスタントとして入ってくれました。
さすがに低学年の子供たちだけでは難しかったようですが、ナイスアシストのおかげでみんな答えにたどり着いていましたね!
3人グループになって、みんなでタスクカードをハサミでチョキチョキ。
あーでもない、こーでもない、と言いながら並び替えて一生懸命に考えていました。
後ろの席ではお父さん、お母さんもうーん、と言いながら考えてくれていたのですが、あるお母さん曰く
「いつも料理を担当する私にすれば、簡単なことでした!」と。
普段料理をしている人なら、いちいち計算なんかしなくても、ぱっと見てどの順番でどう進めればいいのか即答できるのかもしれません。すごいですねー。
私が期待しているのは、子どもたちがこうした考え方をマスターしてくれれば、大きくなって料理をするときに、素晴らしく手際のよいシェフになってくれる・・・はず!
ということです。
こんなふうに、プログラミングの考え方を日常の中で活用できて、お父さん、お母さんを助けてくれたら素晴らしいと思いませんか?
さて、22分かかったお弁当づくりは一体、何分にまで短縮することができたのでしょう?
答えに辿り着いた子供たちには、もっと短縮する方法を考えてもらいました。
最初の問題では、使える道具と人数に制約があったので、道具や人数を増やしたらどうなるか??
さらに、もっと自由な発想で考えてもOKと伝えたところ・・・
・オニギリはコンビニで買ってくる
・たこさんウインナーはレンジでつくる
・強火にして早くお湯を沸かす
・強火でゆでたまごをつくる
・出来上がったゆでたまごは段ボール(?)に押し付けて一瞬で殻をむく
・魔法をつかう
などなど
実は今回の問題は、ゆでたまごがクリティカルパス(最短で辿り着く道のり)になっているので、普通のやり方ではどんなに努力しても短縮できる時間に限界があるのですが
子どもたちの発想力によって、その限界をやすやすと突破していったところはとても面白かったです。
一人でできることには限界がある。
だからこそ、使う道具を工夫したり、仲間と協力したりして乗り切ってほしい。
そんな願いが少しでも伝わるといいな、と心から思っています。
本日、ご参加頂いた保護者の方からのアンケートをご紹介します。
ありがとうございました!
さて、次回の探プロワークショップは少し日があきますが、6月に2回連続で実施を予定しています。
テーマはそれぞれ、ポリモフィズムとモジュール化です。
過去に何度も繰り返しやってきた、「変身する公園をつくろう!」と「街をつくろう!」ですが、今回に向けて大幅に手を入れて臨む予定です。
限定10名様なので、お早めにお申し込みください。
それではまたお会いしましょう!
【レポート】低学年向けアルゴリズムワークショップ 2019.04.07
新年度ですね!
桜が舞う中、なんと約1年ぶりとなる探プロワークショップでした。
前回は約1年前に、虎の門でしたね。
【レポート】探プロで発想力を身につける~変身する公園をつくろう!~ K.I.T.虎ノ門大学院 2018.05.20 - 探究型プログラミング学習(探プロ)
学校向けなど、クローズドのワークショップはこの間にも何度かやっていたのですが
一般公開となると、、、本業の忙しさにかまけて間があいてしまいました。
今年は気を引き締めて、継続していこうと思います!
今回はアルゴリズムがテーマでした。
小学5年生、6年生向けに何度かやってきたものを、低学年向けにアレンジしなおしています。
そうしたら結局、ほぼほぼ全部作り直しになってしまい、参加者の皆さんの反応が心配だったのですが、満足して頂けたようで良かったです。
当日は日曜日の朝にも関わらず、10組の親子が集まってくれました!
高学年のお兄さん、お姉さんがが3名、アシスタントとして活躍してくれています。
会場にあった机のサイズが意外と大きくて・・・
こんな講義型の配置になってしまったのはイマイチでしたが、親子で1時間、アルゴリズムについて学びました。
今回のワークショップでお伝えしたかったことは
ということです。
アルゴリズムというのは、命令の順番とルールのことです。
今回は歯磨きを例にしてアルゴリズムのメリットを伝えました。
活躍してくれたのはこちらのカバさん。
私も普段、デタラメな歯磨きをする派なのですが。。。
今回はアルゴリズムを伝えるために勉強しました。
こちらのサイトがとても分かりやすかったです。
画像をお借りしました。
ハミガキセンセイロボットに正しい歯磨きのやり方を教えるにはどうやって伝える?
ということを考えてもらいながら、アルゴリズムの良さを伝えたいのですが
分かってもらえたかしら??
そして、中盤ではいつものlittleBitsワークショップです。
レベル1からレベル5まで順番に、「命令」の順番とルールを考えるとはどういうことか?
littleBitsを使って、手と頭を駆使して体験してもらいました。
みんなあっという間に習得していてすごい!
最後は、このアルゴリズムを使って日常の問題解決をすることをまた考えてもらいました。
今回は親子での参加だったので、一緒に考えてもらったのですが、良いアイデアは出たでしょうか??
私からは、洗濯物を干す、というシチュエーションでこのアルゴリズムを活用する例を紹介しました。
- やみくもに干すと時間がかかる
- 同じものをまとめて干す、を繰り返すアルゴリズムなら効率がよい
通常、プログラミングワークショップといえば子どもが主役なのですが、探プロは親も参加してもらうことに意味があると思っています。
こうしたプログラミングの考え方は、パソコンを使ってプログラミングをするときに使うだけではなく、日常の中で応用してこそ価値があります。
だから、今日のワークショップの内容を、ご家庭にもちかえって、親子で一緒に考えてみてほしいな、と思います。
保護者の方もぜひ、家庭や職場でこうした考え方を使うことを意識してみてください。
プログラミング教育は、IT人材を育成するためのもの、という説明がよくされますが、それだけでなく、もっともっと身近なところで必要性を感じてもらえたら嬉しいです。
さいごに、本日のワークショップにご参加頂いた皆さんからのアンケート回答をご紹介します!
アルゴリズムの考え方が子供向けにとてもわかりやすかったです。ありがとうございました。リトルビッツをさわるのに夢中でしたが、説明部分はあまり理解できてなさそうでした。プログラミングの必要性を説かれる中で、子供に対して何をすべきか全く分からないので、このようなワークショップを開催して頂けて良かったです。 PC使って行うのが、プログラミングというイメージもありますが、子供にはまず思考力から、というところも納得できました。子供が主体的に楽しめました。また参加したいです。主人はとても良かったとコメントしています。息子はまだピンときていない感じですが、これがわかれば効率があがるので、家族で話題にしていきたいと思いました。
探プロの想いが伝わって、とてもうれしいです!
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!!
そして次回のワークショップはこちら。来週です。
今度は、マルチタスクという考え方をご紹介します。
これもまた、家庭や職場で役に立つ考え方ですね。
私は常々、子どもたちがこの考え方をマスターしてくれたら親が楽になれるのになーと思っていました。
そんな想いで作ったワークショップです。
残り1枠となっていますので、ご希望の方はお急ぎくださいね。
探プロは、プログラミングの考え方が、家庭や学校の中のあたりまえの会話になって、親も子も、先生も生徒も、みんながHappyになれる社会になることを願っています。
ではまた!
探プロでは隔週で情報を配信します。
お友達とうろくをぜひ!