探究型プログラミング学習(探プロ)

プログラミングの考え方を学んで、未来を創る力を手に入れる

プログラミングの考え方を学んで未来を創る力を手に入れる

【レポート】低学年向けマルチタスクワークショップ 2019.04.14

入園・入学シーズンも過ぎたというのに、まだまだ肌寒い日が続きますね。

そんな中9名の小学生が集まってくれて、先週に引き続き探プロのワークショップでした。

先週から引き続き参加してくれたお子さんや、なんとシドニーから来てくれた子まで。

 

今回のテーマは「マルチタスク」です。

一昔前には、仕事も家事も、同時にいろんな仕事をこなすマルチタスク型の人間がもてはやされたものですが、最近ではちょっと、事情が違うようです。

 とはいえ、家事や仕事に追われる大人たちは、嫌でもマルチタスクを意識しなければ成り立たないわけですが。

逆に生産性が落ちる、というのは自分自身の体験を踏まえると、なんとなくわかります。

 

探プロが伝えたいのは

・シングルタスクでは時間がかかって効率が悪い

・じゃあマルチタスクでやればいい

・でも一人でやるマルチタスクには限界がある

・じゃあチームを作って役割分担すればいい

ということです。

これはコンピューターと同じ発想で、マルチプロセッサや分散コンピューティングの話につながります。

 

以前、とある小学校の5年生向けに、チームワークをテーマに探プロのワークショップをやったことがあります。

このときも、マルチタスクのメリット、デメリットを実感した上で、チームをつくることの意味を皆で考えたのでした。

 

今回はこのときのワークショップを低学年向けにアレンジし直したのですが、結局いつものようにほぼ全部作り直すことになりました。

子供たちの身近にあるマルチタスクって何だろう???とさんざん考えた結果、いきついたのは「お弁当作り」です。

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スライドを見た子供たちからは

・野菜がない

・少ない、足りない

とブーイングの嵐でしたが(笑)

 

ワークショップの前半で、littleBitsを使ってマルチタスクとはどういうものかを学び、トータルで22分かかるお弁当づくりをどうすれば短縮できるだろう?

ということを皆で考えました。

 

おにぎり作りをタスクに分けると

・ごはんをよそってにぎる

のりを巻く

です。

こんな感じで、全ての調理をタスクに分けて、どういう順番で作るのか?

どのタスクとどのタスクを並行して進めべきか?

ということを考えてもらいました。

 

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先週に引き続き、今回も小学校高学年のお兄さん、お姉さんがアシスタントとして入ってくれました。

さすがに低学年の子供たちだけでは難しかったようですが、ナイスアシストのおかげでみんな答えにたどり着いていましたね!

3人グループになって、みんなでタスクカードをハサミでチョキチョキ。

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あーでもない、こーでもない、と言いながら並び替えて一生懸命に考えていました。

後ろの席ではお父さん、お母さんもうーん、と言いながら考えてくれていたのですが、あるお母さん曰く

「いつも料理を担当する私にすれば、簡単なことでした!」と。

普段料理をしている人なら、いちいち計算なんかしなくても、ぱっと見てどの順番でどう進めればいいのか即答できるのかもしれません。すごいですねー。

 

私が期待しているのは、子どもたちがこうした考え方をマスターしてくれれば、大きくなって料理をするときに、素晴らしく手際のよいシェフになってくれる・・・はず!

ということです。

こんなふうに、プログラミングの考え方を日常の中で活用できて、お父さん、お母さんを助けてくれたら素晴らしいと思いませんか?

 

さて、22分かかったお弁当づくりは一体、何分にまで短縮することができたのでしょう?

 

答えに辿り着いた子供たちには、もっと短縮する方法を考えてもらいました。

最初の問題では、使える道具と人数に制約があったので、道具や人数を増やしたらどうなるか??

さらに、もっと自由な発想で考えてもOKと伝えたところ・・・

・オニギリはコンビニで買ってくる

・たこさんウインナーはレンジでつくる

・強火にして早くお湯を沸かす

・強火でゆでたまごをつくる

・出来上がったゆでたまごは段ボール(?)に押し付けて一瞬で殻をむく

・魔法をつかう

などなど

 

実は今回の問題は、ゆでたまごクリティカルパス(最短で辿り着く道のり)になっているので、普通のやり方ではどんなに努力しても短縮できる時間に限界があるのですが

子どもたちの発想力によって、その限界をやすやすと突破していったところはとても面白かったです。

 

一人でできることには限界がある。

だからこそ、使う道具を工夫したり、仲間と協力したりして乗り切ってほしい。

そんな願いが少しでも伝わるといいな、と心から思っています。

 

本日、ご参加頂いた保護者の方からのアンケートをご紹介します。

今回、子供同士の席にしたのがよかったですね。 とても集中してたと思います。
題材が身近なところが良いと思いました。先週も家に帰ってから、歯磨きの磨き順にダメ出しをされ、洗濯物の干し方を子供からレクチャーされました。この身近なところから、広がれば良いと思います。
子供の笑顔がもっと出ると良いと思う
切るときに、ハサミがグループにひとつのときと、3つあるときとで違うかな、というのも気付きのポイントになるかと思いました。
日常の動作と繋げて論理的な考えを深めるのは、子供にとって非常にわかりやすく、新たな発見になると思います。また機会があればぜひ参加したいです。

 

ありがとうございました!

 

さて、次回の探プロワークショップは少し日があきますが、6月に2回連続で実施を予定しています。

テーマはそれぞれ、ポリモフィズムとモジュール化です。

過去に何度も繰り返しやってきた、「変身する公園をつくろう!」と「街をつくろう!」ですが、今回に向けて大幅に手を入れて臨む予定です。

限定10名様なので、お早めにお申し込みください。

 

 

 

それではまたお会いしましょう!

 

 

 

 

@tanpro-lab