【WSレポート】2017.11.05 littleBitsワークショップ@沼津 午後の部
お昼を挟んで、午後はlittleBits経験者向けにアルゴリズムを学ぶワークショップです。
最初に簡単なミニ講座をやってlittleBitsの使い方を思い出してもらい、アルゴリズムとは何か?をレクチャーしました。
踏切の例を使って、アルゴリズムとは「順番とルールを決めて「命令」を組み合わせること」であることを知ってもらいます。
この辺は小学生にはちょうど良いレベルのようで、すんなりと理解してくれました。
そして、littleBitsブロックの組合せもアルゴリズムで説明できることを伝え、単に繋げるのではなく、アルゴリズムを意識しながら使ってみようと促しました。
午後の部ではレゴブロックを使って工作します。
今回は未来の街にあるものを自由に作ってもらいました。
午後の部は13名の参加だったのですが、最年長は5年生でした。
そして、この5年生の女の子たちが素晴らしい想像力の持ち主で、ワークショップを盛り上げてくれたのですよね。
これまでの経験では、小学校高学年の女の子はlittleBitsに対して興味をもってくれないことが多かったのですが、今回は違いました。
最初から最後まで、ずーっと和気あいあいと工作を進めていて、なかなか斬新な作品を作っていましたよ。
こちらは絶叫(!)メリーゴーランド。
↑が完成すると、サーボモーターを2つ使って回転する立派なメリーゴーランドになるのですが、その動きが怪しくて(笑)
振り落とされまいと必死にしがみついている人形の様子がなんともシュールでした。
お姉さんたちは盛り上がっていたけど、小さい子たちにはちょっと見せられない...
こちらもお姉さんの作品。
未来のトイレ。
どの辺が未来なのかの解説はわけあって(笑)割愛しますが、よく考えるなぁと。
彼女たちが偉いのは、おふざけで作っているように見えて、ちゃんとアルゴリズムで発表できるところです。
とってもよくできていました。
ところで今回の遠征では、大人のスタッフの方がたくさん入ってくださったのですが、もう一人、私にとって強力な助っ人がいました。
4年生の息子です。
前日の準備から大張り切りで手伝ってくれて、当日もあちこちのテーブルをまわってサポートしてくれました。
回を重ねるごとにサポートがうまくなっていて感心するのですが、今回は2つ、彼のおかげで助かったことがありました。
1つは、お昼休みの間に仲良くなった同学年の男の子に、littleBits+レゴブロック+ギアを使って車を作る方法をレクチャーしていたことです。
息子の作ったサンプルを見ながら、あっという間に使い方をマスターしたその男の子は、午後の回の短い時間の中で、ありもののブロックとギアだけを使ってみごとに動く作品を完成させました。
実はワークショップ後半に、その男の子は同じサイズのギアが手に入らなくて困っていて、私のところへ相談にきました。
そこで、他の子と交渉して欲しいサイズのギアを手に入れるか、残っている最小サイズのギアを使うか、のどちらかを選択肢として提示して、その後は任せていたのです。
そしたらなんと、最終的に最小サイズのギアを使って自力でやり遂げたのですよね。
相談にきた時点で残り時間は10分足らず。
諦めずによくやりきったと思います。感動しました。
もう1つ助かったことは、小学生に混ざって参加していた年長の男の子を息子がフォローできたことです。
サンプルとして作っていたギアで動く車を見て、自分も作ってみたい、自分は飛行機を作りたい、という男の子。
そこで、彼を息子のところへ連れていって、彼の望みを叶えるためにサポートするようお願いしました。
そして、ここも終了時間まであと10分足らず。
どうなることかと思いましたが、ちゃんと完成しました。
羽が重いけど...なんとか動いていましたね。
この2つのことを通じて、探プロにはある副次的効果があることを実感できました。
ワークショップでは工作の時間がだいたい30分~40分ほどしかありません。
その中で、初めて触るlittleBitsを使って、littleBitsとレゴブロックを組み合わせて作品を作るわけですが、これは意外と難しいことなのです。
保護者のアンケートではときどき、レクチャーをちゃんとしてから始めないことへの不満や、レゴブロックに慣れていないので出来ないのは仕方がない、といった感想を頂くことがあります。
また、今回のワークショップでもうまく仕上げられずに悔しい思いをしていた子が何人かいました。
そういったことを踏まえると、短い時間の中で作品としてちゃんと仕上げる、ということがいかに難しく、そしてやり遂げる力がどれほど重要かを思い知ります。
「○○がないからできません」
と言うのは簡単です。
ないならないなりに、どうするか?
時間もお金も、モノも、自分がほしいだけ潤沢に手に入るなんてことはありえません。
いつも、足りない状態。
その中で、自分はどういう選択をするのか?
プログラミングに限らず、問題解決の場でも同じことが言えます。
全ての条件が理想通りに揃うなんてことはない。
足りないものだらけの中で、いかにして効果を上げるか?
粘り強く、目標に向かってすべきことを冷静に考え、結果を出す。
今も、これから先も、とても重要な力になるはずだと思っています。
あらためて考えると、正解のある課題を与えられるワークと比べて、自由度の高い探プロのワークショップは、非常に難易度が高いと言えるのかもしれません。
でも逆に言えば、チャレンジのしがいがあるわけですし、こちらの期待に応えてくれる子どもたちを見ていると、感動すらおぼえます。
私は普段の仕事で常に問題解決と向き合っていますが、それがITに関連することでも、ビジネスに関連することでも、一番重要なことは、厳しい環境の中でやり遂げることだと実感しています。
そのために必要なスキルの1つが論理的思考力なのであって、論理的思考力があれば問題解決ができるわけではありません。
探プロではこれからも、子どもたちにとって本当に価値のある学びの場を提供していこうと、あらためて実感しました。
私にとっても気づきの多い、実りあるワークショップとなりました。
関係者の皆さま、参加してくれた方々にお礼を申し上げます。
ありがとうございました!
次回がもしあれば、今度はグループワークを中心にプログラミングの考え方を学ぶワークショップを提供したいと思っています。
またお会いできることを楽しみにしています!