【WSレポート】2017.11.05 littleBitsワークショップ@沼津 午前の部
天候に恵まれた三連休、探プロは初めての遠征をしました。
沼津市など静岡県東部地方を中心に、子供たちに未来の学びを届ける活動をしている方々から声をかけて頂き、幼児から小学生を対象としたlittleBitsワークショップを提供する機会を頂いたのです。
実は小学生の頃、数年間ですが住んでいたことのある沼津市。
そしてそのお隣の三島市は、高校3年間を過ごした懐かしい地でもあり、ご縁に恵まれたことをとても嬉しく思っています。
当日は私の高校生時代の友人2人もお子さんを連れて駆けつけてくれました。
お互いママになって、子連れで再会するのもなんだかすごーく不思議な感じがするのと、彼女たちの前に立ってワークショップをやるのがすごーーーくプレッシャーでもあったのですが(笑)
ともあれ良い想い出になりました。
今回のワークショップは2部構成でした。
午前は幼児を中心としたlittleBits初心者向け、午後が小学生を中心としたlittleBits経験者向けです。
午前の部は、バグを探せゲーム+紙工作という基本の組合せにしました。
紙工作の準備を主催の方にお願いしておいたところ、ものすごい充実っぷりでびっくり!
楽しそうな工作道具を山ほど用意して頂き、他にもお菓子の空箱など、子供たちの工作意欲をかき立てる素晴らしいい準備に感動しました。
私はこんな活動をしていますが、実は工作が大の苦手です...
昔はそうでもなかったのですが、本業の影響(?)もあって完全にロジカル脳なんですよね...
発想力を存分に活かして&手先の器用さを活かして
といったことができないので、この工作系のワークショップが本当に苦手なのです。。
そんな事情をお伝えしたら、主催のOさんが工作サンプルをたくさん用意してくれました。
ちなみにこれはメリーゴーランドです。
モーターをつけるとちゃんと回転します。
他にもたくさん!
そんなこんなで、午前中は18組の親子でスタートしました。
最年少は4歳、最年長は10歳とかなり幅広い年齢層でしたが、年齢でグループを分けてくれたので、わりとスムーズに進められた気がします。
最初は、いつものようにデバッグゲームをやりました。
littleBitsのブロックにバグ(悪い虫)が入り込んで、うまく動かなくなってしまった...
どうすれば良い?
ということを皆で考えながら進めていきます。
年齢差があるので進み具合が心配でしたが、年少組がとてもよく頑張っていました!
littleBitsの動きが大まかに分かったところで、次はグループごとにlittleBitsのブロックを繋げるゲームをしました。
アウトプットの役割である緑のブロックをたくさん動かしたグループが勝ちです。
ここで、面白い現象が。
最年長の10歳のお兄さん・お姉さんたちが集まったグループは余裕…
と思いきや、繋いだのに全然動かなかったんですよね。
彼らの繋げたブロックをみてすぐに理由が分かりました。
緑(アウトプット)のブロックの間には必ず、ピンク(インプット)のブロックが挟まっているのです。
つまり、ピンク、緑、ピンク、緑、のように交互に並んでいました。
これだと、電気を通すためにはあちこちのピンクのブロックに手を加えなければいけません。
あっちもこっちも、同時にスイッチを押す必要があって、どうにも忙しい...
しかも成功率は高くない。
(タイミングを合わせるのが難しいですからね)
一方、小さい子たちのグループは、素直に緑のブロックをどんどん繋げて、みごとになが~い作品を作っていました。
デバッグゲームの中では、ゲームを進めるうちにピンクと緑のブロックの関係性が理解できるようになっています。
(緑→ピンク、では動かないということを体験している)
また、私はゲーム中に何度も、緑のブロックがたくさん動いたグループが勝ちだよー、と伝えていました。
お兄さん・お姉さんはちびっこばかりの中で少し油断してしまったかしら??
先日の小学校でのワークショップでも実感しましたが、このlittleBitsを使ったプログラミング学習は、アルゴリズムの超基礎、基本を学ぶのにとても向いているようです。
難しいことを言わなくても、なぜその順番だとうまくいかないのか?
どうすればうまくいくのか?
思考と試行が連動して非常に分かりやすい形で結果を確認できますし、ブロックを見ればアルゴリズムが分かるので簡単なのです。
実際に、そのグループのお兄さん・お姉さんたちは、ゲーム後に私のフィードバックを聞いて、全員が、なるほど、と頷いていました。
皆で一緒に見て触って体験できるからこそですね。
もちろんパソコンを使ったプログラミング学習でもアルゴリズムは学べるのですが、少々手間がかかるのが難点だと思っています。
当事者だけでなく、周りで見ている保護者も、他の参加者も、みんな、その場で共有して、納得できる。
littleBitsを使ったプログラミング学習の価値を、これからももっと伝えていきたいとあらためて思いました。
そして後半は、用意して頂いた工作道具を使って思いきり楽しみます。
材料をかき集め、あーでもない、こーでもないと、子どもたちみんなすごく集中していました。
サンプルのおかげで(?)くるくる系が多かった印象です。
こちらは手描きイラスト付きのメリーゴーランド。
こちらは4年生のお兄さん2人の合作です。
空母だそう。
↑は完成状態ではないので分かりづらいですが、2人で協力して、上下の部品をうまく分担&組み合わせて作っていました。
1人で作るのも自由だし、友だちと作ってももちろんOK。
今回は時間の関係で、複数人でプログラミングする体験を入れられなかったので、自ら取り組んでくれたことが嬉しかったです!
保護者の方も交えて総勢40名近くがいたので部屋の中はものすごい熱気でしたが、とても穏やかな時間でした。
最後は、全員が自分の作品をそれぞれ発表します。
恥ずかしながらも、工夫したところや、難しかったところをちゃんと教えてくれました。
素晴らしい!
最後に保護者の方へ。
今回のワークショップで学んだデバッグの考え方を、お子さんと一緒に日常の中でどう活かしていくか??
当日は時間がなく伝えきれなかったので補足します。
■デバッグ
プログラムが意図しない動きをするとき、エンジニアたちはプログラムに「バグ(bug)」がある、と言います。その原因を突き止めて修正し、正常な動きに戻す作業(=バグを取り除くこと)が「デバッグ」です。
プログラミングをする上でデバッグはストレスを感じるものですが、思考力を鍛えるには非常に有効な手法です。特に、デバッグに求められる効率の良さは学習効果を高めます。
具体的には、経験を重ねることによって筋の良い仮説が立てられるようになり、問題解決力UPに繋がります。さらに、仮説と検証を高速でくり返すことによって、論理的思考力UPにも期待できます。
動くはずのものがうまく動かないシーンに遭遇したら、デバッグを試すチャンスです。
もしお子さんから「どうして動かないの?」と聞かれたら、答えを教える代わりに、何があれば”動くはず”なのかを一緒に考えてみてください。
例えば今回のワークショップでは、こんな視点があることを体験してもらいました。
・電池の残量はあるか?
・ケーブルは繋がっているか?
・スイッチはONになっているか?
・ピンク(インプット)のブロックと緑(アウトプット)のブロックはどういう順番で繋ぐべきか?
もしかしたらケーブルがつながっていない?
と疑問をもって確認することが、要するに仮説→検証の流れです。
手当たり次第に解決策を試してみるのも良いですが、一度手をとめて、考えてみる癖をつけると思考力はぐんと伸びるはずです。
デバッグの考え方はプログラミングに限らずいろんなシーンに応用できるので是非、頭の体操だと思って、お子さんと一緒に遊びながら考えてみてください。
お子さんと一緒にこんなデバッグをしたよー、という体験があればぜひぜひ教えてください!
次回は午後の回をレポートします。