【ワークショップレポート】2017.05.03, 04 楽しい家をつくろう! 1/2
先日のGWには、探プロにとって初めての有料ワークショップを開催しました。
今回はNPO法人GEWELさんとの共催で、港区にあるリーブラを会場に実施しました。
区の施設とは思えない素晴らしい場所で、参加者の皆さんからの評判もとっても良かったです。
5月3日、4日のそれぞれ午前・午後に分けて実施したのですが、その最初となったのがこちら。
1月にトライアルでやった幼児向けのコンテンツを、30分拡大して90分バージョンで開催しました。
5月3日は、最年少の2歳から小学2年生、
5月4日は、3歳から最年長となる小学4年生の計16名にご参加頂きました。
これだけ幅広い年齢を対象に、一度に実施できるプログラミング学習のコンテンツは他にはないように思います。
内容は、前半がデバッグを学習するゲーム「バグをさがせ!」。
ここでlittleBitsの使い方や、基本的なアルゴリズムの考え方を理解してもらいました。
もちろん年齢差は大きくて、個人や年齢によって理解度はさまざまなのですが、手で動かしたり目で確認したり、音を聴いたり。
五感を使ってあーでもないこーでもない、と考える時間はどのお子さんにとっても刺激になるようです。
効果が高そうなのは3歳~5歳くらいのお子さんで、一番理想的な反応をしてくれました(笑)
それ以下だと難しく、それ以上だと簡単すぎる、といった印象です。
6歳以上のお子さんたちには簡単すぎる内容ではあるのですが、自分より小さな子たちがいる中でちょっと得意気になってみたり
妹や弟の手前、かっこいいところを見せて自信をつけたり。
難しいモジュールをどんどん使いこなすお兄さん、お姉さんの姿はかっこよかったです!
まずは5月3日に実施した分のレポートから。
このコンテンツでは親子を対象としているので、保護者の方も隣に座って一緒に体験してもらいました。
前に立っていると、保護者の方々の真剣な眼差しにちょっと緊張します(笑)
基本的に、このコンテンツではグループ学習をしないのですが、このときは時間に少し余裕ができたので、隣の子とのlittleBitsを繋げてみました。
初めましてのちびっこ同士が協力する様子はとっても可愛らしかったです(^^
たくさんlittleBitsで遊んだあとは、自分の思い描く家を工作しました。
この時間に入ると必ず、親子で工作に没頭してしまうのですが...
みんなちゃんとlittleBitsを使いこなしてくれていました。
でも、工作の中に取り込むのが難しい子もいたので、次回からはサンプルを用意して臨もうと思います!
可愛いおうちができました!
最後はみんなで記念撮影。
90分頑張りすぎて最後に辛くなってしまったお子さんもいましたが、楽しんで頂けたようでなによりです(^^
引き続き、5月4日の回をレポートします!
【ワークショップレポート】2017.01.21 楽しい家をつくろう!
更新がずいぶんと遅くなってしまったのですが...
今年の1月に実施した、幼児向けのワークショップレポートです。
【満員御礼】★幼児対象★littleBitsでプログラミング体験!楽しい家をつくろう! ☆探プロ!☆~デジタルハイク vol.9~
ちょっとしたきっかけがあって幼児向けのコンテンツを開発することになり
トライアルのワークショップを皆さんに体験して頂きました。
場所はいつもの日の出ファクトリーさんで
機材協力はデジタルハイクさんです。
いつもありがとうございます!
幼児向けには初、探プロとしては久しぶりのワークショップでしたが
おかげさまで大盛況に終わりました。
2歳から6歳までの12名と 助っ人参加の0歳と9歳、そしてスーパーアシスタントを務めた(笑)我が娘の計15名のお子さんたちが集まりました。
年明けという時期にも関わらず、なんと全員参加!!
主催者としてこれほど嬉しいことはありません。
元気なちびっ子たちのおかげで、準備前は寒かった会場もあっという間に熱量が上がって暖まりました。
大人の方も見学者を合わせて17名となり、部屋の中は熱気でいっぱい。
わずか60分という短時間でしたが、とっても充実したワークショップとなりました。
前半は、littleBitsを使って子どもたちとアルゴリズムの学習をしました。
幼児の皆さんが楽しめるように、ゲーム形式で進めます。
タイトルは「バグをさがせ!」
IT系に携わっている方ならピンとくるかもしれません。
バグとはあのバグ(bug)のことで、このゲームはデバッグを体験するものなのです。
デバッグとは?
プログラムが意図しない動きをするとき、エンジニアたちはプログラムに「バグ(bug)」がある、と言います。その原因を突き止めて修正し、正常な動きに戻す作業(=バグを取り除くこと)が「デバッグ」です。
プログラミングをする上でデバッグはストレスを感じるものですが、思考力を鍛えるには非常に有効な手法です。特に、デバッグに求められる効率の良さは学習効果を高めます。
具体的には、経験を重ねることによって筋の良い仮説が立てられるようになり、問題解決力UPに繋がります。さらに、仮説と検証を高速でくり返すことによって、論理的思考力UPにも期待できます。
このゲームでは、バグを探して皆んなで退治します。
動くはずのlittlebits回路が動かない。
それはどこかでバグが悪さをしているからだ!
バグを退治してちゃんと動くようにしてあげよう!
といった感じです。
幼児向けにデバッグを伝えるイメージはこちらに詳しく書いています。
初の試みだったこともあり、ちびっ子相手のデバッグはなかなかやり甲斐がありまして...
用意した問題の3割ほどしか解決できなかったのですが、子どもたちの表情がとっても真剣だったのが印象的でした。
littlebitsの使い方をなんとなく理解したあとは、ダンボールを使って家を作ります。
今回はこちらのダンボールを使いました。
組み立てるだけで家の形になる上に、なんと配送もできてしまうという優れものです。
子どもたちがlittlebitsで学習している間に、保護者の方々に組み立てて頂きました。
その方がお互いに時間を有効活用できる...
という狙いだったのですが、ここは要改善です。
デバッグの考え方を家庭でも応用してもらうためには、保護者の方もlittlebitsの学習を一緒に体験してもらった方が良さそうでした。
子どもたちと合流して親子で工作に取り組み始めると、中には作品の取り合いをする家庭も(笑)
終始和やかに進み、会場の雰囲気にも馴染んでとっても素敵な光景でした。
そして、仕上がった家を並べたのがこちら!
素敵な家が並びましたね!
どの子も満足そうに作品を持ち帰って、中には自宅でさらに手を加えた子も!
幼児対象では恐らく1時間が限度だろうとは思っていたのですが、実際にやってみると、ちょっと物足りない...というくらいでちょうど良かったようです。
littleBitsを使った学習時間をもう少し確保したい、でもそれだけだと飽きてしまうし… バランスがなかなか難しいのですが、引き続き試行錯誤していこうと思います。
今回やってみて、このコンテンツは親子で学ぶプログラミング学習の超導入編として良さそうだと分かりました。
アルゴリズムの基本的な考え方を身につけてから、本格的なプログラミングに入れると良いですね。
プログラミングをやらなくても、問題解決力の基礎として、デバッグのような手法が身についていることは将来きっと役に立ちます。
参加者の皆さんにお配りした資料にも書いたのですが、デバッグは思考力を身につけるのにとても良い手段なので 是非、家庭でもやってみてほしいです。
パソコンや高価なプログラミング教材がなくても、プログラミングの学習を通じて思考力を身につけることは可能 ということを少しでもお伝えできていると良いのですが。
60分の学習プログラムですが、30分ずつ区切ってもできます。
大人向けのイベントの傍らで、保育がてら子ども相手にワークショップ、というのもありですね。
いろいろ使い勝手は良さそうです。
興味のある方はご連絡ください。
ご参加頂いた皆さまありがとうございました!
【コラム】探プロが解決したい社会的課題とは何か?
先日、あることをきかっけに、Theory of changeという考え方を知りました。
What is Theory of Change? | Theory of Change Community
簡単にいうと、解決したい社会的課題の構造と、その課題に対してとろうとするアプローチを、簡潔に第三者と共有するためのフレームワークです。
探プロとは何か?
ということを何度もこのBlogで書いていたものの、なかなか簡潔に表現しているとは言えず困っていたのですが
このフレームワークに従って描いてみたら、ずいぶんとスッキリ表現することができました。
まず、探プロが解決したい社会的課題というのはこれです。
次世代の子どもたちの新しい教養として期待されているプログラミング学習は、”プログラミングのやり方”を学ぶスタイルが大半であり、技術的なスキル修得に特化していたり、学習環境を整備するハードルが高かったりして特定の関心のある子以外には継続した学習になかなか繋がらない。
この課題に対して、探プロではこのように向き合っています。
“プログラミングの考え方”を学んでモノゴトの本質を見極める力を身につけ、その力を社会のあらゆる場面で応用し、思考力、技術力、コミュニケーション力の強化へと繋がる学習機会を広く提供することで未来を創造する子を育成する。
これを、課題の構造と解決のためのアプローチといった観点から図式化すると次のようになります。
3年前に、子ども向けプログラミング教育の話を見聞きしたときからずっと私自身は課題だと思っているのですが
世の中ではあまり、そう捉える人が多くないようです。
プログラミングを学ぶ=プログラミングのやり方を学ぶ
といった固定概念を、まずは変えるところから試みないと、せっかくの子どもたちの学びが、非常に視野の狭いものになってしまう。
そんな危機意識が探プロの活動の原動力となっている、ということに
あらためて気づくことができました。
いずれまた、この辺を掘り下げて考えてみたいと思います。