チーム学習のために最適な環境とは何か? その2
PBLという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
PBL:Project-Based Learning
課題解決型学習と訳されたりもします。
お題となる課題があって、チームで頭を捻って手を動かして解決する、そんなイメージですね。
よく言われるのが、従来の講義型の授業との比較で、PBLではチームワークやコラボレーション能力、リーダーシップ能力を磨くことができる、と。
21世紀型スキルが求められるいま、PBLはとても注目されています。
というのはなんとなく知っていました。
チームというからには、各自で役割を決めて、みんなで力を合わせて!
部活動や文化祭・体育祭のような印象です。
私自身がいま考えている学習プログラムの中でも、チームの概念を取り込んでいるためPBLを活用したいと思っていたのですが
このレベルの理解だと、どうにもPBLの活用イメージがわきませんでした。
そんな時に出会ったのが、小学校受験を目指す子やグローバル社会で活躍する人材を育成する「学びの道教育研究所」の池田先生です。
はじめ、小学校のお受験プログラムなんて私とは何の縁もない、と思っていたのですが、受験の中で重視されている「行動観察」がまさにPBLに直結しているという話を聞いて興味が出てきました。
行動観察では、子どもたちの振る舞いをみて各校が望む人材かどうかが判断されます。
いまは特定層のお受験の世界の話にすぎませんが、見直しが進んでいる大学入試制度では、大学がAdmissionPolicy即ち、わが校が望む人材とは?を提示することが検討されており、適用されれば、大学入試は単なる筆記試験ではなく、大学のAdmissionPolicyに合致するかどうかを見極める試験に変わるのです。
また2015年よりPISAの評価項目に「協調的問題解決能力」が加わることが決定しており、国際的にみてもこの能力が必須で求められることは間違いなと言えます。
大学が変われば高校も、中学校も、小学校も、全てその方針に従った教育プログラムが適用されることになるので、いずれ全ての子どもたちがPBLを意識せざるを得ない状況になるはず、です。
自分自身を振り返って、過去の学習環境の中にどれほどのPBLの要素があったかと考えてみると、驚くほど少ないことに気づきました。
かろうじて中学生のときに所属していた吹奏楽部での活動が合致するかもしれませんが、それ以外は...
そんな状態で社会に出て、企業に属する一員となって初めて組織人としての振る舞いや、プロジェクトの一員としての振る舞い、を覚えるのです。
社会人歴も長くなるとそのような思考は当たり前ですが、チーム活動を経験した人としなかった人とでは、根底にある考え方がそもそも違うのではないか、ということを池田先生の話を聞いて考えてしまいました。
その池田先生の教室ではPBLをベースにした学習方法が適用されており、ご好意でその授業を見学させて頂くことができました。
そしてその授業を目の当たりにして初めて、PBLを活用した学習の根幹を理解できたのです。
その3へ続く。