【ワークショップレポート】チャイルドハッカソン#01 DAY3 1/2
最終日も良い天気でした。
北陸地方はこの時期、どんより曇り空のイメージだったので
3連休中ずっと天気が良かったのは本当に運が良かったのでしょうね。
こんな晴れた日には21世紀美術館あたりにも行きたかったなー
と思いながらの3日目。
(次に金沢へ行く機会があれば必ず行きたい)
子ども不在のまま時間切れになったらどうしよう??
と不安でしたが、なんとこの日は最多の6人もの子どもたちが集まってくれました!
初めて見るlittleBitsに食いつく子どもたちの勢いに狼狽えるところからスタート(笑)
早く作品作りに入りたい気持ちをぐっと抑えて
子どもたちの興味が落ち着くのを待ちました。
途中で3キョウダイが帰ってしまい、この後はしばらく、5歳と8歳の姉妹と戯れながら工作しました。
こちらもなかなか手強かったですけどね(笑)
勢いはあるけど会話の返しがクールな妹と、のんびりなのに意思が強くて一筋縄ではいかない姉と...
メインである大人の方のハッカソンは、女性が1名?という感じでしたが
子どもハッカソンの方は女子率がとても高めでした。
探プロとしては、プログラミング学習に性別の差を作りたくないので、女の子たちが興味をもってくれるのはとても嬉しいです。
5歳と8歳はまだギリギリ、littleBitsにも興味をもってくれたので良かった(^^;;
後半にはもう1人、4歳の女の子も参戦し、その子のお父さんと
隣チームからサポートに入ってくれたお兄さんと、最後はけっこう真面目な感じで仕上げていきました。
そして、プレゼンの1時間前になんとか完成~
まずは、子どもたちと一緒に作った作品からご紹介しましょうか。
金沢を訪れた子たちにオススメしたいスポットの数々です。
まずは、兼六園。
サーボモーターで微妙な動きをつけたので、アヒルは文字通り悶えることに(笑)
もちろん、2日目に来てくれた5年生の女の子が作った徽軫灯籠も!
そして、金沢城。
実はBlogでのレポートが間に合っていないのですが...先日、幼児向けにデバッグを学ぶワークショップをやりました。
そのとき使った家の形をしたダンボールを、ここでも活用しています。
このダンボールでお城を作ってみたら?
と姉妹に渡したところ、最初にやったことはなんとハシゴ作り!!!
お兄さんに手伝ってもらいながら、なかなか精密なハシゴを作ってくれました。
ハシゴでお城の屋根にあがり、そこで本当はコーヒーカップのようなクルクルまわる遊具を作りたかったのですが、モジュールが足りなくて断念。
代わりになぜか、バイブレーションモジュールを屋根に貼り付けて、カタカタという音を楽しんでいました(笑)
ちなみに、プレゼン後の講評の中で、このバイブレーションは金沢の霰を表現しているのかと思った!
というものがあり、見た目や動きだけでなく、音で表現するやり方もあるのだと気づかせてもらいました。
もちろん、霰を表現したわけではないのですが(笑)
そして、こちらが21世紀美術館。
実は、姉妹が最初に取り組んだのがこちらの作品だったのですが、私から
「アートを表現してほしい」
とリクエストしたところ
アートってなに?芸術って何??
と切り替えされてしまい、うまくこたえることができませんでした...
はじめはダンボールのデザインに拘っていた二人でしたが、littleBitsを加える作業を手伝ってあげると
いろんなアイデアが出てきました。
暗くて分かりづらいのですが...
向かって左手の箱の中には、カラフルモールで作った微妙な動きをするモンスターと
回転しながら慌てふためいてモンスターから逃げるアヒルがいます(笑)
こちらは妹ちゃんの作品。
大人がアイデアの着想を手伝ったところもありますが、放置することで何も生み出せないよりも
多少、手を貸してあげたとしても、作品作りを一緒に楽しめる方が良いだろうと思っています。
そして、向かって右側はお姉ちゃんの作品。
中をのぞくとキレイにライトアップしていました。
この辺の使いこなし方には、やはり年齢差が出ますね。
こちらは、こども電車。
金沢に遊びに来た子どもたちを乗せて、観光案内をする足として活用します。
4歳の女の子が、お父さんと一緒に作ってくれたのですが、必死に作るお父さんとその横で超マイペースに過ごす娘、という風景がとても微笑ましくて良かったです(笑)
お父さんと娘の組み合わせでプログラミング、という構図はとても良いですね。
外遊び以外、なかなか一緒にできる遊びがないと思うので、新しい遊び道具としてプログラミングはお勧めかもしれません!
あとはオマケで。
数を増やすために私の方で作りました。
この忍者寺で実際におこなわれたであろうグロテスクなシーンを思い浮かべると複雑な気分にはなるのですが
子どもが楽しめるアトラクションとして、忍者寺は欠かせません。
ということで、隠しトビラを。
私が適当に作った作品をちゃんと手直しして90度ずつ回転するように仕上げてくれたお兄さんに感謝!
そうそう、この付箋紙にある忍者の絵は、大人ハッカソンの参加者がふらりと気分転換のために立ち寄って描いてくれたものです。
こういう関係性が自然と生まれるのが、とても素晴らしい空間だと思いました。
最後に、どうしても加えておきたかった金沢工業大学!
金沢工業大学には、夢工房という施設があり、このワークスペースでは学生が自由にものづくり活動に取り組めるのです。
私が学生のときにあったら、絶対に入り浸っていたと思うくらい、素敵なところです。
4月にはリニューアルして、とても立派な空間が出来上がるそうで。
夢工房では、子どもたちのためワークショップも開催しているのて
金沢へ来た子どもたちには是非、この夢工にも足を運んでもらって、最先端の教育と技術に触れてもらいたい
そんな想いで創りました。
といっても、私が作ったのは後ろにある校章くらいですが...
動くとこんな感じ。
さて。
これらの工作と、コンセプトである
子どもによる、子どものための、金沢ガイドツアー
そして、オリンピック、プログラミング学習がどう絡むのか??
次回はそれを解説したいと思います。
【ワークショップレポート】チャイルドハッカソン#01 DAY2
今回は3連休中ずっと金沢に滞在していたのですが、学会が重なったらしく
金沢駅は初日から大混雑でした。
新幹線も満席でしたしね。
そのおかげで宿がとれず…
金沢工業大学から車で20分ほどの場所にある、白山の麓の旅館に滞在していました。
こんな感じの。
近くには、白山比咩神社という
日本三大名山(富士山・立山・白山)のひとつの白山をご神体とする神社があって
しかも開山1300年という記念年でもあったのですが
観光の時間は全くとれず…
結局、3日間ずっと大学の近辺をウロウロしてました(笑)
代わりに、大学生気分で金沢グルメを堪能できましたが!
ちなみに、大学生と社会人の本気のハッカソンの方といえばこんな感じ。
ハッカソンて、もっとエネルギッシュに進めるものなのかと思っていたのですが
びっくりするくらいに落ち着いていて、リラックスしている様子でした。
こんなものですか?
と何人かの方に尋ねたところ、相当のんびりしてます、ヤバイです
と返ってきました(笑)
そんな中、チャイルドハッカソンの隣に陣取っていた社会人チームは、HoloLensを使ったアイデアを実現しようと頑張っていたのですが
環境構築に苦戦して結局、途中でチーム解散となってしまいました(涙)
お隣チームは残念でしたが、そのおかげで?
優秀なエンジニアが一人、なんと我らがチャイルドハッカソンのスタッフとして参画してくれることになり
私としては思わぬ棚ぼたでラッキーでしたが♪
他にも、自分の作業の合間の息抜きに、チャイルドハッカソンを覗きに来たり
手伝ってくれる人たちもたくさんいて
大人と子どもが入り乱れての素敵な空間となりました。
こういったアレンジはとても良いですね。
さて、2日目です。
この日は朝から、5年生の女の子が参加してくれました。
会話した瞬間、とても聡明であることが分かったので
こちらとしては、藁にもすがる思いで彼女に相談しましたよ(笑)
オリパラをテーマに、何かしら創り上げたいと考えていることを伝えたところ
何やら工作を始めた彼女。
ワクワクしながら見守っていると、出来上がったのはなんと
文化財指定庭園 特別名勝 兼六園にある徽軫灯籠(ことじとうろう)!
これですね。
マイペースすぎる・・・
よほど気に入ったのか、初めは段ボールで、次はレゴブロックで徽軫灯籠を作り続ける彼女・・・
ちなみに何度かワークショップをやって気づいたのですが、高学年の女の子というのは
あまりlittleBitsに関心をもたないようです。
触っても1分くらい。すぐに飽きてしまう(>_<)
そして、大人がいろいろ誘導しようとしても絶対に乗ってくれない(>_<)
個人的には一番、扱いが難しいと思っているのですが他のワークショップではどうなのでしょう?
そんなわけで、苦戦すること2時間。
突破口は、彼女との何気ない会話の中にありました。
私が
「金沢の観光地といえば?」
と聞くと
ところが
「子どもでも楽しめるの?」
と聞くと
「別に楽しくない。それより、×××へ行ってみて。可愛いものがいっぱいあって楽しいから」
と、女の子が好みそうな店の集まったショッピングセンターを教えてくれました。
ん?
金沢の子は、金沢の観光地を知っているのに、楽しい場所だとは思っていないの?
そう思って、あらためて金沢の観光地を調べてみると
大人にとっては古都の魅力満載の素晴らしい街なのですが
子どもの視点から見ると、イマイチ楽しめる要素がないことに気づきました。
初日に金沢駅へ降り立ったとき、観光客はたくさんいたけれど
そういえば、子どもの姿はほとんど見かけませんでしたし。
もしかして、金沢がアピールしているのは大人の観光客なのであって
子どもは蚊帳の外になっているのでは?
観光に連れ回される子どもたちは、大人向けの街に居場所がないと感じているのでは?
初日にスポーツ庁の課長さんの発言を聞いて抱いた私の違和感は、これだったのですね。
だとしたら、今回のターゲットは家族連れ観光客の子どもに絞ってはどうだろう?
そして、子どもにとっての面白さは子どもこそが分かっているはずだから
金沢の子どもたちが、観光に来た子どもたちをもてなす、というのはどうだろう?
そんな風に考えて、コンセプトがぼんやり見えてきました。
名付けて
子どもによる、子どものための、金沢ガイドツアー
我ながら良いアイデアだと思い、彼女に相談してみたところ
いいよ
とつれない返事(苦笑)
でもそう言いながらも、即席でレゴブロックを使って兼六園を創ってくれました。
ここにももちろん、徽軫灯籠(笑)
結局、最後までlittleBitsを使ってくれなかったので…
仕方なく私がadd-onしましたが。
名付けて
夜の兼六園で悶えるアヒル
この作品を見ながら
「珍しい動物が観察できるというコンセプトの兼六園ツアーはどうかな?」
と振ってみたところ
いいんじゃない
とクールに賛成してくれました(笑)
VRを使って庭を舞台にしたゲームを楽しむ
というのがありました。
大人向けの観光地には、須く適用できるアイデアだと思います。
既にあるのかな。
さて、コンセプトの原案はできました。
ここまでが、探プロの学習フレームワークでいうところの「観察と発見」です。
ちなみに、探プロは、プログラミングの考え方を学ぶための手法ですから
単なる工作では終わりません。
このコンセプトをベースとして、プログラミング学習の要素、オリンピックの要素を加えながら実現方法を考えます。
この辺の解説はまたのちほど。
旅館に戻ってから一人であれこれと考えていたのですが
こういうときはやはり、ディスカッション相手がほしいですね。
もちろん、相手が子どもであればベストなのですが。
学校や長時間のワークショップであれば
アイデア出しを子どもたちと一緒にできるはずなので
いつかチャンスがあれば、やってみたいと思います。
今回は子どもの参加が読めない中だったので
ある程度こちらで設計しましたが
その分、子どもたちには「実現する」のところに注力してもらうことにしました。
たとえ子どもたちの作品自体は工作にすぎなかったとしても
ちゃんとプログラミング学習の土台に乗せてあげれば
ハッカソンの作品として恥ずかしくないものになるはず
と思っています。
この辺は、まさに子どもと大人の協働作業ですね。
バランスをとるのは本当に難しいし
学習の価値を出すことはもっと難しい
けれども、課題もたくさん見えたので、次回へのインプットにして、この形式もブラッシュアップしていこうと思います。
さて、あとは最終日に子どもが参加してくれることを祈るばかり…
【ワークショップレポート】チャイルドハッカソン#01 DAY1
ルビィの超訳は少しお休みさせてもらって、しばらくは、この連休に参加していた
こちらのイベントをレポートします。
昨年の3月に大学院を修了したわけですが、私が通っていた虎ノ門キャンパスの本校は、金沢(金沢工業大学(K.I.T.))です。
いつか、金沢に行ってみたいと密かに思っていたところ、念願叶ってお声がけ頂くことができました。
このハッカソンは、K.I.T.の学生を中心に、社会人の方も参加していて
今回は約60名もの方が、3月の貴重な連休を使って集まりました。
金沢は連休中とても良いお天気で
北陸地方には珍しい天候だったようですが、ハッカソンの会場はそんなこととは無関係に、熱気に溢れていました。
大人が本気を出している傍らで、初の試みとして実施されたのがチャイルドハッカソンです。
ハッカソンに参加したくても、休日は子どもの面倒を見なければいけなくて...
という人のために、大人がハッカソンに参加している間、子どもたちをお預かりして
子どもは子どもで楽しんでしまおう
というコンセプトで用意されたものです。
とはいえ、開催当日になっても、何歳くらいの子が、何人くらい集まるのか?
3日間連続とはいえ、毎日来てくれるのか、何時ころに来てくれるのか?
といったことが、全く分からない状態で…
子どもが参加してくれないことには成り立たないし…
ということで、3日間ずっとドキドキでした(笑)
何の事前準備もできず、出たとこ勝負という、私の最も苦手とするシチュエーションでしたが
これも経験と思って、その緊張感も含めて楽しんできました。
自宅からわずか3時間で金沢駅に到着。
出迎えてくれたのは、鼓門です。
到着したときは近すぎて気づきませんでしたが、この上にあるガラス張りのアーチが本当に美しいデザインでした。
(帰りがけ、駅に向かう途中で初めて見ました)
バスに約30分ほど乗ると、野々市市にある金沢工業大学に到着。
ハッカソンの会場は、大学とは思えないおシャレな場所でした。
広々としたワークエリアの一角に、チャイルドハッカソンのエリアを設けていただいたのですが
こんな素敵な&居心地の良い場所を独占させてもらい、はじめからテンションが上がります!
今回のハッカソンに向けては特段、やり方のイメージをもっていなかったので
とりあえず最低限の道具として、littleBitsとレゴブロックを用意してもらいました。
その他の工作道具は、過去に使ったものをいくつか私が持ち込みましたが、結果的に役に立ったので、わざわざ運んだ甲斐がありました。
そして迎えた初日。
今回のハッカソンのテーマがオリパラということで、まずはスポーツ庁のオリパラ課長より
金沢からオリパラを考える視座を与えて頂きました。
このお話がとても面白くて、東京五輪の背景がよく理解でき
少し他人事だったオリパラが、ようやく自分ごとになった瞬間でした。
このお話の中で、金沢は既に海外旅行客の誘致には成功しているので
観光客向けのアプローチはこれ以上、力を入れなくても良さそうですね
といった発言がありました。
そうかぁ、と思いながら聴いていたのですが
なぜかこの言葉がずっと頭から離れず、結果的にこの発言が
今回のチャイルドハッカソンの作品を仕上げる際のコンセプトに繋がることになりました。
その辺はまた後ほど。
他にも、マイクロソフトからHoleLensのエバンジェリストや、元稚内北星学園の丸山先生、金沢市長からのお話がありました。
(私は途中までしか聞けませんでしたが、参加者にはとっても有意義だった様子)
さて、初日に来てくれたのは、5歳のY君。
はじめは、自分がもってきた世界地図のプリント(世界中の国と場所を記憶している!)から顔をあげることなく
なかなか参戦してくれなかったのですが
一緒に新品のレゴブロックを開封し、littleBitsを触り始めるとあっという間に夢中になって
それからなんと4時間!!!
ぶっ通しで遊び尽くしました。
最後には疲れすぎてしまい、まだ遊びたいけど疲れた、けど帰りたくなくて駄々をこねていましたが
そんな姿も含めて、一緒に遊んだ4時間はとっても楽しかったです(^^
最終的に、作品として仕上げることができなかったので
彼も私も、とても悔しかったのですが
それが逆に、貴重な学びの機会にもなりました。
私の方は、オリパラをテーマに何か作らないといけなくて
何とか彼にその気になってもらいたかったけれど
何の目的で、何を作るのか
それを大人側の事情でどこまで枠にはめて良いものか?
迷っていました。
なので、まずは本人のやりたいようにやってもらおうと
オリパラの話にも触れず、彼の興味のままに付き合っていました。
とはいえ、こちらも焦るわけで…
そうこうしているうちに、littleBitsの扱いに慣れてくると手出し無用の雰囲気になり時間切れ。
個人参加で出入り自由の単発ワークショップなのに
最終日にはグループでの発表がある
という形の難しさを痛感した瞬間でした。
次にもし、同じようなシチュエーションがあったらどうするか考えてみました。
きっとまた、とことん子どもの興味に付き合うと思います。
その中で、子どもが興味関心のあるところ、ないところを会話を通じて探っていくのかな。
大人の事情はあれど、子どもの視点からしか見えないものがあるはずなので
寄り添うことで、それを発見したり引き出したりしながら
最終的に、それをベースとしたコンセプト作りを大人がお手伝いすれば良いのだと思います。
発想が逆だったんですよね。
大人の事情に子どもを付き合わせるのではなくて
子どもの事情に大人が合わせる。
大人は、それだけの器量を求められている。
なかなか、やり甲斐のある分野に足を踏み入れてしまいました(笑)
そんなわけで初日は若干の後悔とともに終えて…
翌日に備えます。