【ワークショップレポート】チャイルドハッカソン#01 DAY2
今回は3連休中ずっと金沢に滞在していたのですが、学会が重なったらしく
金沢駅は初日から大混雑でした。
新幹線も満席でしたしね。
そのおかげで宿がとれず…
金沢工業大学から車で20分ほどの場所にある、白山の麓の旅館に滞在していました。
こんな感じの。
近くには、白山比咩神社という
日本三大名山(富士山・立山・白山)のひとつの白山をご神体とする神社があって
しかも開山1300年という記念年でもあったのですが
観光の時間は全くとれず…
結局、3日間ずっと大学の近辺をウロウロしてました(笑)
代わりに、大学生気分で金沢グルメを堪能できましたが!
ちなみに、大学生と社会人の本気のハッカソンの方といえばこんな感じ。
ハッカソンて、もっとエネルギッシュに進めるものなのかと思っていたのですが
びっくりするくらいに落ち着いていて、リラックスしている様子でした。
こんなものですか?
と何人かの方に尋ねたところ、相当のんびりしてます、ヤバイです
と返ってきました(笑)
そんな中、チャイルドハッカソンの隣に陣取っていた社会人チームは、HoloLensを使ったアイデアを実現しようと頑張っていたのですが
環境構築に苦戦して結局、途中でチーム解散となってしまいました(涙)
お隣チームは残念でしたが、そのおかげで?
優秀なエンジニアが一人、なんと我らがチャイルドハッカソンのスタッフとして参画してくれることになり
私としては思わぬ棚ぼたでラッキーでしたが♪
他にも、自分の作業の合間の息抜きに、チャイルドハッカソンを覗きに来たり
手伝ってくれる人たちもたくさんいて
大人と子どもが入り乱れての素敵な空間となりました。
こういったアレンジはとても良いですね。
さて、2日目です。
この日は朝から、5年生の女の子が参加してくれました。
会話した瞬間、とても聡明であることが分かったので
こちらとしては、藁にもすがる思いで彼女に相談しましたよ(笑)
オリパラをテーマに、何かしら創り上げたいと考えていることを伝えたところ
何やら工作を始めた彼女。
ワクワクしながら見守っていると、出来上がったのはなんと
文化財指定庭園 特別名勝 兼六園にある徽軫灯籠(ことじとうろう)!
これですね。
マイペースすぎる・・・
よほど気に入ったのか、初めは段ボールで、次はレゴブロックで徽軫灯籠を作り続ける彼女・・・
ちなみに何度かワークショップをやって気づいたのですが、高学年の女の子というのは
あまりlittleBitsに関心をもたないようです。
触っても1分くらい。すぐに飽きてしまう(>_<)
そして、大人がいろいろ誘導しようとしても絶対に乗ってくれない(>_<)
個人的には一番、扱いが難しいと思っているのですが他のワークショップではどうなのでしょう?
そんなわけで、苦戦すること2時間。
突破口は、彼女との何気ない会話の中にありました。
私が
「金沢の観光地といえば?」
と聞くと
ところが
「子どもでも楽しめるの?」
と聞くと
「別に楽しくない。それより、×××へ行ってみて。可愛いものがいっぱいあって楽しいから」
と、女の子が好みそうな店の集まったショッピングセンターを教えてくれました。
ん?
金沢の子は、金沢の観光地を知っているのに、楽しい場所だとは思っていないの?
そう思って、あらためて金沢の観光地を調べてみると
大人にとっては古都の魅力満載の素晴らしい街なのですが
子どもの視点から見ると、イマイチ楽しめる要素がないことに気づきました。
初日に金沢駅へ降り立ったとき、観光客はたくさんいたけれど
そういえば、子どもの姿はほとんど見かけませんでしたし。
もしかして、金沢がアピールしているのは大人の観光客なのであって
子どもは蚊帳の外になっているのでは?
観光に連れ回される子どもたちは、大人向けの街に居場所がないと感じているのでは?
初日にスポーツ庁の課長さんの発言を聞いて抱いた私の違和感は、これだったのですね。
だとしたら、今回のターゲットは家族連れ観光客の子どもに絞ってはどうだろう?
そして、子どもにとっての面白さは子どもこそが分かっているはずだから
金沢の子どもたちが、観光に来た子どもたちをもてなす、というのはどうだろう?
そんな風に考えて、コンセプトがぼんやり見えてきました。
名付けて
子どもによる、子どものための、金沢ガイドツアー
我ながら良いアイデアだと思い、彼女に相談してみたところ
いいよ
とつれない返事(苦笑)
でもそう言いながらも、即席でレゴブロックを使って兼六園を創ってくれました。
ここにももちろん、徽軫灯籠(笑)
結局、最後までlittleBitsを使ってくれなかったので…
仕方なく私がadd-onしましたが。
名付けて
夜の兼六園で悶えるアヒル
この作品を見ながら
「珍しい動物が観察できるというコンセプトの兼六園ツアーはどうかな?」
と振ってみたところ
いいんじゃない
とクールに賛成してくれました(笑)
VRを使って庭を舞台にしたゲームを楽しむ
というのがありました。
大人向けの観光地には、須く適用できるアイデアだと思います。
既にあるのかな。
さて、コンセプトの原案はできました。
ここまでが、探プロの学習フレームワークでいうところの「観察と発見」です。
ちなみに、探プロは、プログラミングの考え方を学ぶための手法ですから
単なる工作では終わりません。
このコンセプトをベースとして、プログラミング学習の要素、オリンピックの要素を加えながら実現方法を考えます。
この辺の解説はまたのちほど。
旅館に戻ってから一人であれこれと考えていたのですが
こういうときはやはり、ディスカッション相手がほしいですね。
もちろん、相手が子どもであればベストなのですが。
学校や長時間のワークショップであれば
アイデア出しを子どもたちと一緒にできるはずなので
いつかチャンスがあれば、やってみたいと思います。
今回は子どもの参加が読めない中だったので
ある程度こちらで設計しましたが
その分、子どもたちには「実現する」のところに注力してもらうことにしました。
たとえ子どもたちの作品自体は工作にすぎなかったとしても
ちゃんとプログラミング学習の土台に乗せてあげれば
ハッカソンの作品として恥ずかしくないものになるはず
と思っています。
この辺は、まさに子どもと大人の協働作業ですね。
バランスをとるのは本当に難しいし
学習の価値を出すことはもっと難しい
けれども、課題もたくさん見えたので、次回へのインプットにして、この形式もブラッシュアップしていこうと思います。
さて、あとは最終日に子どもが参加してくれることを祈るばかり…