探究型プログラミング学習(探プロ)

プログラミングの考え方を学んで、未来を創る力を手に入れる

プログラミングの考え方を学んで未来を創る力を手に入れる

【レポート】問題の見つけ方と問題解決のしかた 2/2 北区立袋小学校 2017.10.14

後半は場所を家庭科室に移して、問題解決のしかた、をlittleBitsを使って体験してもらいました。

 

本当は、前半に伝えた「問題の見つけ方」を体験できたら良かったのですが、littleBitsを使って&プログラミングの学習にもなって、という先生方からの欲張りなリクエストにこたえるために(笑)

実際の問題解決までを一連の流れとして組み込みました。

 

ここまでを45分+45分の90分でやるので、組み立てはけっこう大変でした....

かなり詰め込んだので心配していたのですが、この6年生たちにそんな心配は無用だったようです。

 

8人で1グループになって、4人ずつ「問題を抱えている人」と「問題を解決する人」に分かれます。

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時間の関係もあって&littleBitsを使って解決できる問題設定が必要

ということで、今回は私の方でお題を出しました。

「夜道を歩くのが怖い・・・」

と言っている女の子がいる。

毎日歩く道だから早く解決したいし、友だちもみんな怖がっている。

 

怖がっている理由にはいくつかあって、静かすぎるから、暗いから、怖い人がいるかもしれないから、お化けがでるかもしれないから・・・

 

問題を抱えている人に、どうして問題だと思ってるのか、ちゃんと理由を聞いてみる。

そして、それを解決するためのプロトタイプを作ってみる。

作ったら、それを見せて、それで解決できるかどうかを聞いてみる。

もし、ダメ出しされたらやり直し。

 

この一連の流れを15分間で。役割を交代して2回やりました。

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最初の1回目では、初めて触るlittleBitsがよく分からなくて苦戦する子や、littleBitsに夢中になってしまい問題を抱える人たちとのコミュニケーションがなくなってしまう子などがあちこちに見られました。

 

途中でスタッフの方から

「子どもたちは何をしたらよいのか、全く分かっていませんよ?」

と言われ、慌てて各テーブルをまわってみたのですが、実際はそうではありませんでした。

 

彼ら彼女らは、何をすべきかちゃんと分かっていました。

(問題が何か?その問題を引き起こしている理由は何か?そのために何を解決すべきなのか?)

全テーブルをまわって確認しましたが、すべてのグループで理解できていました。

 

でも1回目の様子を見ていて、ちょっと気になることがあったのです。

そこで2回目に入る前に、私から2つ伝えました。

 

1つは、自分の作ったプロトタイプによって、本当にその問題を解決できるかどうか、ちゃんと問題を抱えている人に確認しましたか?ということ。

たとえば、暗いのが怖い、と言っている人に灯りを提供する。

それは確かに1つの方法かもしれない。

でも、本当にそれがベストなのか?ちゃんと考えましたか?確認しましたか?

問題を抱えている人は、問題の解決には何が必要なのか、ちゃんと考えましたか?

 

実際に、あるテーブルではこんなことがありました。

怖い人がいるかもしれないというから音を出す仕組みを作ったといいます。

そこで聞いてみました。

それは、怖い人が近寄らないための仕組みなのか?それとも、近寄った人を撃退するものなのか?

うーん、ということで、また考え直すことに。

 

そんな声がけの成果なのか、2回目ではあちこちのテーブルから、ダメ出しをされている声が聞こえました(笑)

 

もう1つは、littleBitsの使い方です。

今回は事前レクチャーもせず、いきなりスタートなので子どもたちも試行錯誤でしたが、6年生なので、できればちゃんと知っておいてほしいことを1つだけ伝えました。

 

インプット、アウトプット、それらの制御(コントロール)の役割をちゃんと考えること。

アウトプットの次にインプットがあっても意味がないよね?

制御は、アウトプットを制御するためにあるんだよね?

だとしたら、ピンク、緑、オレンジのブロックをどう組み合わせるべきなんだろうか?

 

ここは若干、プログラミングの話が入ってしまったので、各テーブルを周りながら、気づいたところには直接声をかけて直していきました。

さすが6年生です。

一声かけるだけですぐに間違いに気づいて、自分たちで直せる子ばかりでした。

中には制御のブロックを使いこなす子も現れて、潜在能力の高さにこちらが驚いてしまいました。

 

たかだか30分でどこまでできるのだろう...

と心配していたのに、最後の5分は余剰に感じるほどでした。

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問題解決までの一連の考え方を学んだ上で、さいごに全体をふりかえって終わります。

 

終了後、担任の先生たちからのフィールドバックの中には

「いつもの授業では消極的な子が(そういう子ほど)今日はとても積極的に取り組んでいた」

というものがありました。

 

私はちょっと気づけなかったのですが、スタッフの中には気づいた人がいたようです。

前半の講義と、後半のワークでは、活躍する子が違ったと。

 

頭でゴリゴリと考えるのもだいじだけど、問題解決はそれだけじゃ足りない。

理屈より先に身体を動かす、というのも大切だと思います。

そうやって素直に動ける子の良さが、学校や社会の現場でももっともっと評価されると良いな、とあらためて思いました。

 

今回の体験がこのあとの学びに少しでも役に立つことを願っています!

担任の先生方をはじめ、お手伝いくださった方々に感謝の気持ちを込めて。

ありがとうございました。

 

==

終了後、子どもたちのふりかえりシートを共有して頂いたので一部抜粋です。

 

・問題を見つけることでたくさんの解決策がでてきておもしろかった。

 

・特に「問題とはなにか」というやつが難しかった。たしかに、ほめてもらえると思って手伝ったのに怒られたりするのでなっとくしました。

 

・問題=差という考え方はリフレクションでも活用できると思いました。テーマが決まらないときにこうなったらいいなという理想を考えて、今との差を考えれば今までより良いリフレクションができるかもと思いました。

 

・littleBitsをうまく使って問題を解決するにあたって感じたことは、いつもテキトーに組み合わせるのではなく、考えて、「どうしてこうなった?」「どうすれば良い?」という考えながら解決することが必要だということ。

 

・問題を探すときには、質問をすることがよいと分かりました。班でやったときは「へりくつ」が少し多かったけど、あの模型のような物(注:littleBitsのこと)を使うと深く考えられました。詳しく言うと、「どうすれば解決できるか」と考えながらやっていくことで頭を使っていたからだと思います。SDGsを進めていくためにこの大事なやり方でやっていこうと思いました。そして班で協力できるとよいと思いました。

 

・(問題とは)自分と人の意見の差だとは思ってもいなかったし考えたこともなかった。もっと人の意見を大切にしなければ、いいものもうまれないと思ったし、そのための話し合いだって気づいた。他人の気づきからひらめき、考えることも必要だとづいたし、結論を早く出すのもいいけど、相手の話を聞いて、それにあったものを出すためにも人の言葉は大切にしようと思った。

 

・「問題とは何か?」を考えたことがありませんでした。たぶん興味がなかったからだと思います。

 

・問題というのは、人それぞれ基準が違うから、いんな考えが違って当然だということが分かりました。自分にとって大きな問題でも、他の人にとって意味のない、小さな問題なのだと思います。

 

・相手の問題を詳しくするときの質問が重要だと知りびっくりしました。これからこの活動をしていく上で質問を大切にしていきたいと思いました。

 

・問題はどこにある?というので、なんで今までこの方法を思いつかなかったんだろうと思いました。

 

・問題解決をどのように進めるかがよく分かりました。自己中心的(困っているのは自分くらいの問題や、そんなにはやく解決しなくても良い問題)にならないように気をつけようと思いました。

 

・私が一番思ったことは、問題とプログラミングの関係性は?ということです。なぜかというと、私の班はまったくうまくいかず、問題を解決できなかったからです。暗いのが怖いから電気をつけた。でもおばけが怖い(という)。1つができても1つはできませんでした。前回でも、何かを救うことは何かを捨てること、といいました。なので私は関連性が分かりませんでした。

 

・問題を見つけ出すためには、相手に聞いてみたり相手と自分を比較すれば良いと分かった。なぜなら、相手をみることで誰が自分の中では何がダメなのかが分かり、そのダメなところが理想と現実の差であり、問題だからだ。しかし、個人だけの問題で他人は関係ないものも重要な問題ではあるが、まずは大人数の方を優先しなければならない。問題解決にはその原因を質問で深めておき、そこから自分たちが解決しようとしていることは本当にあっているのかを考えて行動したい。

 

・問題を解決するには、いろいろな質問と自分と相手の考えが同じかどうか?を調べなければならない。理由は、相手が望んでいることが同じじゃなければ解決したことにはならないから。

 

・あらゆる問題を問題グループの人たちに言われ、追いつけずにできなかったものもあった。これが世界でいう、だいじな問題ではない、なのかなと考えた。出された問題のうち、一番難しく、完成させられなかったのが、お化け対策をしてほしい、というもの。お化けはライトをつけると見えてよけいに怖くなる、などの意見が出て結局、完成させることはできなかった。

 

・世の中も、問題がおきたら解決していくから、同じしくみだと気づいた。世の中の問題を解決していくのを、小さくまとめたのが今日、家庭科室でおこなったものと気づいた。日常でも、このような似ていることがある。

 

・「問題」ということを考えることがなかった。実際に私がやっている問題は解答のある問題だけど、SDGsは解答が1つと決まっているわけでもないし、人によって答えが違うということなんだろうと思った。

 

・学習を通して気づいたことは、問題を解決する際、一点だけではなくいろんな考え、意見をたくさん出していった方が良いということだ。理由は、プログラミングで例えると色んな色、形、性能がたくさん繋がるように、問題を解決するのも同じことだと思うからだ。関係のないものは繋がらない。関係のあるものは繋がる、というわけだ。

 

・重大な問題は、なかなか解決できないということに気づきました。もちろん自分には問題もたくさんあります。しかしそこまで重大な問題はありません。小さなことだったら簡単に解決できました。しかし、重大な問題は2日くらいかけないと解決しないものもあります。他の人に助けを求めても、人は人の心を読み取れないので難しいということも学びました。ささいな問題ならまだしも、重大な問題は人にあまり任せることができないのです。

 

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【レポート】問題の見つけ方と問題解決のしかた 1/2 北区立袋小学校 2017.10.14

朝から傘の必要な土曜日、スタッフの集合は8時(!)。

校門にいると、元気な子どもたちが次々と登校してきました。

小学校の朝ってこんなに早かったんですね!?

 

東京都北区にある袋小学校にて、6年生の総合学習の時間を使ってちょっとした講義+littleBitsを使ったワークショップをやらせて頂きました。

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お題は『問題の見つけ方と問題解決のしかた』。

最初にお話を頂いたときには、プログラミングに関する話とlittleBitsの体験を、ということだったのですが、よくよく聞くと、この学校の6年生はある壮大なテーマ学習に取り組んでいて、そのテーマに絡めた方がずっとずっと価値のある学びを提供できるのではないか?

と思いました。

 

6年生が取り組んでいる壮大な学習とはなんと、SDGs

http://www.unic.or.jp/files/sdg_logo_en-640x452.png

2030アジェンダ | 国連広報センター

 

地球規模で解決しなければいけない17の開発目標として、2015年に定められました。

単なる目標ではなく、"持続可能な"開発目標、となっているところに大きな意味があります。

善意を提供してその場で終わる問題解決ではなく、その問題解決による効果には持続可能であることが求められます。

 

6年生が、このSDGsをテーマに学習をしていると聞いてびっくりしました。

大人でも知らない人はたくさんいるのに。

 

この学習の一環として、先日はこんな授業があったそうです。

junec.gr.jp

カードとレゴブロックを使って、SDGsの世界を実際に体験しながら学ぶというものです。

私も一度参加したことがあるのですが、このゲームの威力は強力で、地球規模でWin-Winの関係を築くということがいかに難しいことかを痛感することになります。

視点が1つでは足りない。2つでも、3つでも足りない。

ゲームなのに、いまこの問題に私たちはどうすべきなのか?

常に問われて考え続けることになるので終わる頃には放心状態になります(笑)

 

普段は中高生や大人向けに実施しているゲームを6年生が授業として体験したそうです。

そしてこのあと、実際に現地やNPOの方々にタンザニアの問題を実際にきいて、自分たちには何ができるのかを考えることになっているといいます。

 

SDGsがなんたるかを理解し、これからタンザニアの問題に取り組もうとしている6年生に、探プロを手がけている私だからこそできることが何かあるのではないか?

そう考えて、今回のテーマに至りました。

 

プログラミングの考え方を学ぶ、といった枠組みからは大きくはみ出していますが、もともと、プログラミングは問題解決の手段である、ということを伝えたいコンセプトはもっているので、今回はそれを伝えることにしました。

 

そして、問題の見つけ方、に関しては私の本業での経験を活かして、ゼロからオリジナルのコンテンツを作ることにしました。

プログラミング学習だけでなく、問題そのものを捉えることが重要だということも、私自身がとても大切にしていることなので、是非それを伝えたかったのです。

 

そんなこんなで前置きが長くなりましたが、前半は図書室をお借りして6年生80名を相手に「問題の見つけ方」の話をしました。

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先日、4機目が打ち上げられた衛星「みちびき」を例にとって、どうしてこんなものを宇宙に飛ばす必要があったのか?

3000億円もの予算を使うからには大きな問題があったはず。一体何が問題だったのか?

といった話からはじめました。

 

さすが6年生ですね。

1人くらいは「みちびき」のことを知っているかな?

と思ったら、何人も手を挙げていました。

 

日本ではいま、位置情報を把握するのに最大で10メートルほどの誤差が生じるのだそうですが、君たちはそれが問題だと思いますか?

 

自分が問題だと思っていないのだとしたら、誰が問題だと言っているのでしょうか?

 

そもそも、問題ってなんでしょう?

自分が問題だと思わなくても、友だちが問題だといえばそれは問題になりますか?

100人中の99人が問題だと思わなくても、誰か1人が問題だといえばそれは問題になりますか?

 

一般的には、問題とは理想と現実のギャップだと定義されています。

でも大切なことは定義よりも、「誰にとっての問題か?」というところです。

 

これからタンザニアの問題を解決しようとしている君たちは、相手が何を問題だといっているのかをちゃんと知らなければいけない。

自分が解決したいことに注目するのではなく、相手が解決したいことに注目しなければいけない。

 

問題が何であるか?が分かったとして、じゃあその問題はどうすれば見つけられるのか?

 

問題だ問題だ!

と言っている人たちに話を聞いていくと、たくさんの「問題」が出てくるはず。

その全てを皆さんは解決するのですか?

 

時間(もお金)も有限だとしたら、その貴重な時間をどうやって使いますか?

 

解決すべき最も"だいじな問題"に取りもう。

今回のタンザニアのケースでは、その問題を解決することで

・たくさんの人が喜んでくれる(影響度大)

・すぐに喜んでくれる(緊急度大)

そんな問題のことを、"だいじな問題" と捉えることができる。

 

自分にとってとても"だいじな問題"に取り組んで、自分自身が満足する。

そんな問題解決ももちろんあるけれども、今回のケースでは、こんな形で考えることができる。

 

大人の世界では、問題を捉え間違えることで起きる悲劇がたくさんあります。

せっかく作ったのに、「こんなものがほしかったわけじゃない!」と怒られることがあります。

 

君たちにも経験があるかもしれない。

良かれと思ってお父さん、お母さんのお手伝いをしたのに、逆に怒られてしまったりとか。

(実際にあった、とその後のアンケート回答に書いた子がいました(笑))

 

そういう悲劇をうまないためにも、問題を見つけるということはとても重要なことなのです。

問題解決を自己満足で終わらせてはいけない。

 

 

こんな話をして、最初の30分が終了。

 

朝一だったので、はじめの頃は欠伸をしている子がちらほら。

でも最後は全員が真剣な表情で話を聞いていました。

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次は場所を移動して、問題解決のしかたについて学びます。

dig-learning.hatenablog.com

【ワークショップレポート】2017.10.11 littleBits体験会

久しぶりのlittleBitsでした。

 

成城学園前にある民間の学童保育ラボアンドタウンまちなか学童 | 祖師ヶ谷大蔵、成城学園前にある民間学童保育さんのところでlittleBits体験会をやりました。

 

元気な小学生が10名。

企画を頂いたときは、いつもの探プロワークショップを少しやろうかと考えたのですが

今回は純粋に、littleBitsで遊ぶことを目的にしました。

 

初めてlittleBitsを触る子どもたちは、物珍しさと自由に触りたい欲求が上回って

基本的に人の話は聞かないんですよね(笑)

 

だったら、まずは思う存分に触らせて

満足してから、本当に伝えたいことを伝えていく

そうすれば、すんなりと伝わるのではないか?

というのが最近の仮説です。

 

今回の体験会の次がもしあれば、スポンジのようにこちらの想いを吸い込んでくれる子どもたちに出会えるはず!

 

久しぶりのワークショップで私自身が一番楽しかったかもしれません(笑)

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littleBits触ってみたいな、とか、探プロってどんな感じかちょっと見てみたいな

のご希望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

喜んで伺います!

info@tanpro-lab.jp

 

 

@tanpro-lab