小学校でプログラミングを学習することに、どれほどの意義があるのだろうか?
今年の秋から冬にかけて、大学院の修士研究が大詰めだったこともあり、Blogの更新ができていませんでしたが
『探究型プログラミング学習』の方は着々とブラッシュアップが進んでいます。
これから少しずつ、コンセプトを伝えるのと同時に、新しいワークショップのトライアルも進めていきたいと考えているところです。
そんな中、思わず反応せずにはいられない記事がありました。
これは昨年公表された「プログラミング教育実践ガイド」の次のステップですよね。
この記事によれば、2017年度には年間指導計画のモデル案が出ると。
2013年に発表された「世界最先IT国家創造宣言」の工程表には、初等・中等教育段階からのIT教育の充実を目的に、2019年には全国にプログラミング教育を展開すると読み取れる表記があります。
その工程に則ったものと解釈していますが、果たして本当に3年後、小学校にプログラミングという言葉が浸透するのでしょうか?
記事を読んでも相変わらず方向性がよく分からないし、IT人材の育成やプログラミング教育といったキーワードが出てくる「日本再興戦略」の中に書いてある内容も
「21世紀型スキル」という言葉を使いつつも、結局のところ何も分からない。
プログラミング教育とか、プログラミング学習とか。
これから必須化されることに間違いはないのでしょうけど、なぜ必要なのか多くの人が分かっていない中で
指導手引書なるものが教育現場にふってきて、スマホやタブレットを日常的に使いこなす子どもたちと、何世代もギャップのある先生たちが
本当に共通言語でコミュニケーションをとれるのかな、という懸念もあります。
だいいち教師は、プログラミングを学習することが、世の中でどのように役に立つのか、実感として本当に理解できるのかという点が大いに疑問です。
国語や算数、社会や理科といった科目を教えることと、プログラミングを教えることは、教師に求める「経験」という点において他の科目とは全く異なりますし
ITリテラシーにおいては、下手すると子どもたちの方が上かもしれません。
全ての子どもたちにプログラミングを学ぶ機会を、という思想には共感するけれども
本当に小学校でやることに、意味があるのだろうか??
という大きな疑問があります。
プログラミングの時間になったら、子どもたちはパソコン部屋へ移動して
先生の指示に従ってScratchを動かし、その過程の試行錯誤によって思考力を磨く
みたいなシーンが現実路線かなぁ、と思っていますが
そういうのって、あんまりワクワク感がないんですよね。
せっかく次世代の教育なのだから、先生も子どもたちも、それを見守る保護者も、みんながワクワクして楽しめて、かつ必要なスキルが身に付く内容になっていてほしい。
わたしは、そんな学習プログラムを作りたいし、広めていきたいと考えています。
これから少しずつ、です。