【ワークショップレポート】未来の街をつくろう! 2/2
7月29日に実施したワークショップレポートの後編です。
午後はメンバーをがらっと変えて、小学1年生から3年生向けに「未来の街をつくろう!」を実施しました。
同じタイトルですが、午前にやった幼児向けとは中身が全く違います。
今回のプログラムでは、アルゴリズムをテーマにしました。
「街をつくろう!」をテーマにしたプログラムは何度かやっていますが、今回はアルゴリズムに絞って、形も変えています。
いろいろ見直していたら、結局ほとんど作り直す羽目になってしまったのですが、結果的に以前より良いものになった気がしますねー。
この日の小学生は元気いっぱい!
午前中とはテンションが違ってなかなかやりがいがありました(笑)
いつものlittleBitsミニ講座のあと、午前中と同じように繋げるゲームをやって盛り上がります。
次に、街はいろんなものの組合せでできている、という話をしました。
例えば、駅、電車、バス、消防署、信号機...
いろいろありますね。
こういったものが組み合わされた「街」というものをイメージした後、グループごとに「何を」「どうやって」組み合わせるかを考えてもらいました。
ちなみにここで組合せの話をしているのは、プログラムは命令の組合せである、ということに関連づけています。
作戦タイムは10分ほど。
2つのグループそれぞれについたTAのリードで考えていきます。
今回のワークショップは、結論から言って大成功だったと思っていますが、その最大の要因は、このときの話し合いだったと確信しています。
単発のワークショップで、初めて出会った仲間やTAと一緒に、短時間で街のコンセプトを決めて協力して創りきる、というのは実はとてもとてっもハードルが高いんですよね。
これは何度かやって本当に痛感しています。
それが、いつものメンバーで、顔なじみの学童の先生たちと一緒、という環境だとびっくりするくらいに上手くいくのですね。
もちろんTAの方々の能力が素晴らしかったのもあります。
問いかけがとても上手で、子どもたちの意見を上手に引き出していました。
探プロのコンセプトは、学校や学童保育のような場でこそ発揮できるはず、とずっと思っていましたが、やっぱりそうなのだなぁ、と確信できた瞬間でもありましたね。
もっと時間がかかると思っていたのに、どちらのグループもあっという間に決まったのですぐに工作に入りました。
まずは、自分の担当分を仕上げていきます。
この企画をスタッフの方々を話し合っていたとき、コンセプトを決めたあと役割分担する形をとるのか、それとも大枠だけ決めて各々自由に作らせるのか、どちらにしようかと議論になりました。
そして、子どもたちにまかせて、そのときに判断しましょう、ということになったのですが、正直なところ私は不安でした...
役割分担した場合、自分のやりたいようにできなくて不満を感じる子がでてきたら困るな、と思っていたのです。
でも、そんな心配は無用でした。
街のコンセプトも、何を作るのかも、誰が作るのかも、何ら問題なくすいすいと決まっていきました。
すごい。
そして作るとなれば全力投球!
すごい勢いで作品ができあがっていきます。
さすが小学生。littleBitsの使い方をあっという間に覚えて、どんどん使いこなしていきました。
小学生の部ではレゴブロックを使いました。
いつものサイズだけでなく、キンダリーさんにあった大きめサイズのものも貸して頂いたのですが、これが大当たりでした。
動くものがあると発想が広がりますね!
ギア系も用意しておいたら、最後まで熱心に作り込む子もいました。
何度も何度も微調整して、自分の作りたいものを徹底的に仕上げる姿勢は立派です!
そして、一通り作品の形ができてきたところで一旦手を止めて、アルゴリズムに関するレクチャーに入りました。
自分の作品をあらためて見直して、どんなアルゴリズムになっているのか書いてもらいました。
littleBitsの良いところは、どんなアルゴリズムになっているのか、見れば一目瞭然、というところです。
ただモジュールによっては書きづらいものもあるので、その辺は改良の余地があると分かりました。
それでもみんな頑張って取り組んでくれました!
そして最後に、いよいよ仲間の作品を繋いで一つの街に仕上げます。
まずは終始賑やかだったこちらのグループから。
駅、電車、線路、そしてトンネルを作って組合せました。
トンネルにはライトをつけ、換気もします。
なかなかの大作で、途中レゴブロックが安定せず大変そうでしたが何とか作りきりました。
限られた時間の中で仕上げるというのは、意外と難しいと思うのですがよく出来たと思います!!
そして、こちらのグループは電力でつなげます。
これは風力発電所。
二人がかりで仕上げました。
やたらとファンを取りに来るなぁ、と思っていたらそういうことですね(笑)
そして、ここで発電した電力を...
写真左上にある家に送電します。
そしてさらに、その先にはケーブルカーが。
一見するとバラバラに見えるものが、電力というもので繋がり、組み合わされた街として表現できました。
このプログラムで私が伝えたかったことは、アルゴリズムの考え方ともう1つ
ふくざつに見えるものは、シンプルなものを組合せただけ
ということです。
複雑な問題を目の前にしてもひるまず、あぁ、組合せなんだな、と気づいて
何と何が、どんなアルゴリズムで組み合わされているのか?
そんな視点をもって問題の構造を解き明かしてほしい。
そんなメッセージを込めました。
伝わったかどうかは分からないけど、いつかどこかで思い出してくれたらと思っています。
まちには何がある?
どんな組合せがある?
どんなアルゴリズムがある?
そんな視点をもって街の中を歩いてみたら、意外なものの繋がりが見えてくるかもしれません。
とっても楽しかったので、さっそく次回作の話も持ち上がっています。
次は何をやろうかな~楽しみ!!