【ワークショップレポート】火星の街を作ろう! 1/2
2017年5月14日に、日本宇宙少年団 未来MM分団 の皆さんと探プロのワークショップを実施しました。
全国にある 日本宇宙少年団 のうち、都内を中心に小学生1年生から高校生まで、約60人もの規模で活動している 未来MM分団 からご依頼があり、企画を練り始めたのが約半年前。
子どもたちをまとめているリーダー(大人)の方々からの要望は、単なる体験ではなく、学びの機会を提供したいというものでした。
この辺が、一般的なワークショップとはずいぶん趣きが異なります。
楽しかったー、では終わらせず、学びとして取り組ませたい。
しかも、年齢層バラバラの団員を一斉に、同じテーマで満足させたい。
こんな難易度の高いオーダーに応えられるワークショップが他にあるでしょうか??
探プロはこうしたオーダーに対して、日本宇宙少年団の合言葉である『一緒に火星に行こう!』を使ってプログラミングのアルゴリズムを学べるコンテンツを作りました。
実は以前にやった『未来の街を旅しよう』をアレンジしたものなのですが、舞台が火星になった途端、全く別のプログラムになるのだから不思議です。
実は今回のワークショップを実施するにあたり、一番苦労したのがlittlebitsの調達です。
いろいろあった末、littlebitsの販売元であるKORGさんや、littlebitsをもっている企業に勤める知人など、計3箇所から調達してなんとか揃えることができました。
60人前のlittlebitsなんてどうやって集めるの??
とはじめは途方に暮れていましたが、不可能を可能にする方法はあるのだと、良い経験になりました。
ご協力頂いた皆さんに心から感謝します。
そして迎えた当日はなんと、ほぼ全員参加!
こんなに嬉しいことはありません。
会場となった日本IBM本社には、続々と、子どもたちと保護者が集まってきます。
今回のワークショップは、大きく2つのクラスに分かれています。
1つは小学校1年生と2年生が対象で、未来MM分団では「ベガ」と呼ばれる子どもたちのクラスです。
約20人となるこのクラスは、プログラミングの話は抜きにして、純粋にlittlebitsを使った工作を楽しんでもらうことを目的にしました。
そこで長年、探プロを支えてくれているパートナーである大津さんにご協力頂き、ファシリテーターをお願いしました。
私は覗きに行けなかったのですが、火星にはついに回転寿司屋ができたそうです(笑)
みんな常識に縛られない発想で楽しんでいたようでした。
とっても良い雰囲気!
ちなみに、大津さんは今後もうひとりのパートナーと一緒に、子どもたちのクリエイティビティを育むワークショップを提供する事業を始めるそうです。
プログラミングの話はともかく、純粋にlittlebitsで遊びたい!という方は是非!
そして小学3年生以上は、littleBitsとレゴブロックを使ってプログラミングの基本的な考え方であるアルゴリズムを学習しました。
こちらは人数が多いので、8名×5グループに分かれての実施です。
先ほど、単なる体験でなく学びを提供したい、というリーダーの想いを書きましたが、例えばこんなところに表れます。
私がいつものように、プログラムとは命令の集まりであり、アルゴリズムとは・・・
と説明を始めると、みんなカバンの中からノートと筆箱を取り出して、メモを取り始めるのです。。。
こんなことは初めてだったので、前にいる私の方が緊張してしまいました(笑)
学習のポイントは事前にリーダー間で共有されていて、ワークショップ終了後にはまとめシートが配られ、子どもたちは学んだことの要点を紙にまとめます。
これを毎月、違うテーマで実施し続けているなんて本当に素晴らしい。
リーダーの方々がそうとうな心意気で臨むわけですから、ワークショップを提供する側も、これは何の目的で提供するのか?
子どもたちが得る学びの価値は何か?
真剣に考えて取り組むことを求められるわけで、私自身も非常に良い経験となりました。
さて、この『火星の街をつくろう!』ですが、2つのミッションで構成されています。
1つは、レゴブロックとlittlebitsを使って拠点(命令)を作り、それを組合せて火星の街をつくること。
もう1つは、その街を訪れる仲間を案内するためのガイドツアー(アルゴリズム)を企画することです。
探プロの通常のワークショップでは、1つのグループの目安は4名なのですが、今回は8名とし、2人1組で作品を作りました。
いつも一緒に過ごしているメンバーなので、単発のワークショップと比べてチームビルディングの必要がないといったメリットがあります。
話し合って、一緒に良いものを...…
のはずでしたが特に、小学校3年、4年生のスピカと呼ばれる子どもたちのグループは苦労していたようです。。。
一緒に良いものを作ろうとグループで取り組み始めたものの、はじめのうちはうまくアイデアを出せずにいました。
でも最終的には試行錯誤の末に全員、形にすることができたのです。
苦労した分、さいごの発表のシーンでの子どもたちの晴れ晴れとした表情が印象的でした。
仲間と協力するというのは、言うほど簡単ではないですね。
今回の苦労もきっと、良い経験になっているはずです。
社会に出たら、誰かと協力しなければ達成できないことはたくさんあります。
大人だって、あーもう、1人でやった方が絶対に早いし楽しいのに!!
と思うことがたくさんあります。
それでも、仲間と協力することで得られる新しい視点とか視野はあるはずで、自分だけでは考えつかなかった!
彼・彼女は実はこんな考えをする子だったんだ!
なんていう発見がたくさんできると良いですよね。
探プロは、プログラミングの学習を通じてコラボレーションの力を育成することも重要なテーマだと考えています。
この苦い(?)経験が、どこかで活かされますように!
今回のワークショップでは、探プロとしてのチャレンジがいくつかあるのですが、その1つが高学年の子向けのプログラムです。
つづく。