探究型プログラミング学習(探プロ)

プログラミングの考え方を学んで、未来を創る力を手に入れる

プログラミングの考え方を学んで未来を創る力を手に入れる

【ワークショップレポート】チャイルドハッカソン#01 DAY3 2/2

3月の3連休に実施した、金沢工業大学での子どもハッカソン

レポートもいよいよ最終回となります。

 

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ちなみに、この↑紙は、最終日の最後に、ハッカソンのプレゼンをやるというので

子どもハッカソンチームも、どさくさに紛れてプレゼンすることになり作ったものです。

急いで、しかもクレヨンで描いているので見苦しいのですが...

 

私が描きあげると即、子どもたちが隣でデコレーションしてくれて

手作り感いっぱいのプレゼン資料ができました。

こういうのもいいですね~

 

プレゼンの時間には1人しかちびっこがいなくて寂しかったけど...

タイトルの下に、「いっしょうけんめいつくりました」のメッセージもを残していってくれました(^^

 

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2020年を機に、国内外からたくさんの人が東京を訪れることになるはずですが

そのとき、金沢の街はどうするか?

放っておいても、金沢まで足を伸ばす観光客はいるだろうけれど

一緒に連れてこられた子どもたちは、金沢の街をどんなふうに楽しむのでしょう?

 

大人が想像できないなら子どもに聞け

ということで、子どもによるオリジナルガイドツアーを作ります。

 

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ポイントは、「オリジナル」であること。

ホスト役を務める金沢の子どもたちは、ゲストの子どもたちのニーズに合わせて

その場でオリジナルツアーを組み立てるのです。

 

ちなみに、ちょっと分かりづらいかもしれないので解説しておくと...

 

今回の子どもハッカソンを探プロで実施するにあたり

子どもたちの作品と、その背景にあるコンセプトのセットで成果物と捉えています。

 

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探プロの学習フレームワークで説明すると

金沢とオリパラ、をモデリングしたことによって、まずコンセプトが生まれました。

そして次は、それを実現する方法を考えるわけですが、今回は参加スタイルの関係で

私がメインで考えることになりました。

(環境が許せば、参加者と一緒に考える方がずっと面白いと思います)

 

インプットは3つ。

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そして、アウトプットはもちろんオリジナルガイドツアー。

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となると

インプットを条件にして行き先を決め

ツアーを組み立てる部分が肝となるのですが、これがアルゴリズムを考えることそのものなんですね。

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行き先となるスポットごとに、特徴を表すタグと所要時間を設定するようにしました。 

 

例えばもし、インプットがこんな感じだったら...

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 工程はこんな感じでしょうか。

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ちなみに秘密のスポットというのは、ホスト役の子どもたちが知っている

地元の子どもしか知らないような見所のことです。

所要時間が微妙に余ったら、こういうのを組み合わせると面白そうです。

 

他にも、欲張っていろんな種類を体験したい!

というニーズがあれば、繰り返しをやめて、行き先を増やすのかもしれないですし

雨なら室内で遊べる行き先に変更することもあるかもしれません。

 

アルゴリズムとして面白いのは、日によっては施設が休館日だったり

ある場所へ行ったら思いのほか楽しくなって動きたくなくなってしまい

以降の行き先は全部キャンセル

などというイレギュラーケースもありえることです。

 

ガイドツアーのアルゴリズムとしては、こうした想定外のケースも全部

事前に想定したケースとして対応方法を考えておかなければいけません。

大人のように、臨機応変というわけにはいかないですから...

  

プログラミングを体験したことのない人にはピンとこないかもしれないですが

実際に、エンジニアの人たちが設計しているのは結局のところこういう話なのですね。

嘘だと思ったら、周りのエンジニアに聞いてみてください。

旅のシナリオを考えることも、立派なプログラミング学習なんです

 

さて、こんな感じで実現方法を決めたら、あとは実現するだけです。

というわけで、子どもたちには行き先であるスポットを作品として作ってもらいました。

(ガイドツアーの組み立てのところも、本当は作品として取り込みたかったのですが、今回はできませんでした)

 

 

最後に、この作品とオリパラの関係を少し補足しておきます。

 

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オリパラの目指すところといえば、持続可能性です。


子どもハッカソンとしては、この作品が『持続可能性』に沿っていることをアピールすることによって

初日にオリパラ課の課長さんが仰っていた

スポーツと文化と教育の祭典

という文脈に乗れるようにしました。

 

 

単なる工作ではなく、単なる子どもの社会体験でもなく

ホスト役の子どもたちが地元について学ぶ機会でもあり、そこから地元への愛着が芽生え、もっと知りたいと思える循環が1つ。

そして、そこで学んだことを金沢を訪れた子どもたちに伝えることによって

伝えられた方の子どもたちも金沢に関心をもち、いずれまた訪れたいと思える循環が1つ。

 

この2つの循環を継続させることによって、金沢を中心とした持続的な文化交流と学びの場を作ります。

 

しかも、やりながらプログラミングの考え方も学べてしまうというお得な試み(笑)

 

もちろん、これは金沢に限らず、いろんな地域で応用できる考え方なので

オリパラを機に是非、どこかで採用してもらえないかなーとも思っています。

 

 

最後におまけの1枚。

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プレゼン待ちの時間を持て余した3人と、抽象化の勉強をしてみました。

公園にあるものを、自分たちで考えて分類してもらいます。

 

ちなみに、私はこの絵を適当に選んでいるだけなので。。。

分類できないものがあっても、それは仕方がないと思っているのですが

 

「その他」の分類はナシだよー

 

と意地悪を言うと、子どもなりに一生懸命に分類をし直したりして

その思考の試行錯誤を見守るのがとっても面白かったです。

 

 

3日間、本当に素晴らしい時間を過ごすことができました。

関係者の皆さまに心から感謝します。

@tanpro-lab