子どもがプログラミング学ぶべき本当の理由と、母親の46.5%がプログラミング学習の必修化に賛成する意味
なかなか衝撃的な記事でした。
大学院の修士研究テーマに、子ども向けのプログラミング学習を私が選んでから1年と少しになりますが、それ以来ずっと、プログラミング学習のことが頭にありますし
ニュースやSNSなどでも、自然とその手の話題が目に入ります。
そうなると、子ども向けのプログラミング学習って、だいぶ流行り始めているな、とか
多くの人が関心をもっているな、というように誤解してしまうのですが
実際はまだまだ、まだまだだと思っています。
私は論文の冒頭に、こんなことを書きました。
従来の子ども向けプログラミング教育は、ITリテラシーの高い保護者など一部の層からは共感を得られるものの、そうでない保護者にはプログラミングを学ぶ理由そのものが理解できず、実社会でのコミュニケーションが減るのではないかといった不安をもつ要因となっている。
このリソースは、昨年実施した2回のフューチャーセッションに参加してくれた保護者の生の声や、当時とったアンケートの結果を元にしています。
たとえば、こんな声でした。
IT技術が進化して学びに多様性が生れるのは良いことだが、実体験を通しての学びが減ることで、社会の抱える問題や課題と向き合う力が低下するのではないか?
プログラミング学習が必要だという声がある一方で、多くの、特にプログラミングとは何たるか?何のためにプログラミングを学ぶべきなのか?がよく分からない保護者にとっては
一人でパソコンに向かう子どもの姿を想像して、不安を感じている
私はそう受け止めました。
この不安の原因は
プログラミングって、プログラミングを学ぶってなんだかよく分からない
ということに尽きると思っています。
でもなんとなく、将来を担う子どもたちには必要だと言われればそんな気もするし
これといって反対する理由もない
という保護者の声が
どちらかというと賛成+どちらでもない61%
ではないかな、と想像しています。
そして、"なんだかよく分からない"からこそ、教室や学校に、その教育を求めているのでしょう。
個人的に一番衝撃を受けたのは
専門家に習うべき54.9%
という数字と、だからこそ
教室に通わせたい51.4%
という数字でした。
この保護者たちが求めている「専門家」とは何を指しているのでしょう?
少なくとも現時点では、多くのプログラミング教室にいる多くの先生たちは
プログラミング自体の専門家ではないと認識しています。
実務経験の伴う専門家が、プログラミング教室で教えるケースは非常に少ないと思います。
いまはIT業界も景気が良いですから、いまの立場を捨ててわざわざ給与の安い先生になろうという人は少ないでしょうし
子ども相手に教えるより自分でプログラミングしている方が楽しいでしょうからね。
教室で教えているのは確かにプログラミングなのかもしれませんが
プログラミングスキルを目的とした教室はほとんどなく、プログラミングを通じて論理的思考や問題解決のスキルを身につけることを謳っているところが大半です。
もし、保護者がプログラミング教室に通わせたいと考える目的が
論理的思考や問題解決のスキルを身につけることであり、だからこそ専門家に習わせたいと考えるのであれば、プログラミング教室に通うより
家族間や学校での日常生活の中の、特にコミュニケーションを通じた活動の中に山ほど学習の場があります。
だから、わざわざプログラミングを選ぶ必要はないのです。
なぜプログラミングを学ぶことが良いのか?何の役にたつのか?
具体的に何を学ぶことになるのか?
子どもたちにプログラミングを学ぶことを勧めるのであれば
真正面から、その問いに答えていくべきだと私は考えています。
先日、知人が私の想いをまとめてくれた記事があるのでご紹介します。
探プロとして、真正面から向き合いました。
子どもたちがプログラミングを学ぶべき本当の理由 | おうち、てらす