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プログラミングの考え方を学んで未来を創る力を身につける『探究型プログラミング学習』

社会を通じてプログラミングの考え方を学び実践を繰り返しながら未来を創る力を身につける探究型プログラミング学習(探プロ)

未来を創る力を身につける探プロ

プログラミング学習だからこそ「21世紀型スキル」

前回、「21世紀型スキル」について少し書きました。

修士研究の中で教育分野の動向をいろいろと調べている中、この「21世紀型スキル」という言葉を時折見かけていたのですが、これに着目した理由はTools for workingというICT活用に関するスキルが定義されていたことです。

 

国内では2002年の学習指導要領から「生きる力」の育成が重視されるようになりました。

ものすごく雑な解釈であることを承知の上であえて言ってしまえば、「21世紀型スキル」は「生きる力」と言われていたスキルに「ICT活用」を加えたもの、といえます。

 

一方でプログラミング学習というのは、2013年に政府が発表した「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」の中で、世界最高水準のIT社会の実現に向けた人材育成の必要性といった文脈から語られており、その人材に求めるスキルを「21世紀型スキル」と表現している事実があります。

 

こうしたことから、プログラミング学習を通じて「21世紀型スキル」を身につけることに関心をもつようになりました。

 

「21世紀型スキル」の修得、という観点から、いまのプログラミング教育業界の主流となっている事業者がどんな教育プログラムを提供しているか?

を見ていくと、「21世紀型スキル」の修得においては実にもったいない状況にある、と感じました。

 

Scratchやロボット教材などを使ってゲームやアプリを作る経験を通じてモノづくりの楽しさを学んだり、Minecraftを使って創造力を高めたり、Raspberry Piを使ってコンピュータのしくみを学びながら高度な技術を修得したり。

その過程において、思考力を身につけ、問題解決力を高め・・・

といったタイプの教育プログラムが非常に多いです。

 

何れも、プログラミングに親しんでもらうとか、モノづくりの楽しさを知ってもらうとか、そういったことを目的としているため意義があると思っています。

しかし、プログラミングを通じて学べることは本来、もっとたくさんあるはずなんですよね。

 

「21世紀型スキル」を見てみると、思考(Ways of thinking)、ICT活用(Tools for working)、チーム活動(Ways of working)、社会との関わり(Ways of living in the world)といった大きく4つのスキルに分類されていることが分かります。

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※「21世紀型スキル」の4分類(ATC21Sの公式サイトより抜粋)

 

 ここで注目すべきなのはチーム活動(Ways of working)と社会との関わり(Ways of living in the world)の2つです。

研究の一環で集めた保護者の声の中には、技術の進化によって、今まで以上に実世界でのコミュニケーションや社会と関わる機会が減るのではないか、といった不安が多くありました。

そうした保護者たちにとっては、技術色の濃いプログラミング教育はスキルの偏りを増幅するものみえているようです。

 

つまり、いまのプログラミング教育がやっていることと、保護者のニーズは「21世紀型スキル」の観点からみて一致していない、ということです。

 

IT業界で長年、システム開発の現場に携わってきた私自身の経験からすると、システムというのは社会を構成する1つの要素であるし、それを作るには独力では難しく、必ず他者との協働作業になることを伝えたいと考えていました。

そしてここに、「21世紀型スキル」との接点があると考えたのです。

 

プログラミング学習において、社会と向き合い、他者との協働を通じてICTを活用しながら問題を解決したり、新しい価値を生み出すことを学ぶことは可能です。

せっかく学ぶのであれば、単に思考力UPや技術の修得に留めないで、もっと幅広いスキルを身につける教育であってほしい。

そういった想いから、『探究型プログラミング学習』を考案しました。

 

次は、『探究型プログラミング学習』のコンセプトの中でもコアとなっている、学習フレームワークの考え方を通じて、先の「21世紀型スキル」をどのように修得しようとしているか?

について書いてみます。

@noriko.ogasawara