親子コミュニケーションツールとしての探究学習のススメ 1/3
私がいま大学院で研究しているのはICTを活用した次世代の学習スタイルで「探究型プログラミング学習」と名付けています。
このうちの「探究型」とは「探究学習」に基づくということです。
自分の解決したい問題にしろ、生み出したい新しい価値にしろ、何かしら自分自身でテーマを見つけることに重点を置くことから名づけました。
プログラミングを含むICT活用は、あくまでも手段だと思っているので、「探究型プログラミング学習」の中では、探究学習によって見つけたテーマを、自ら分析し、ICTなどを活用して解決する一連の学習プロセスを定義しています。
以前にも書いた、問題解決力において重要なことは問題・課題を発見すること、という話は、探究学習と大いに関係があります。
参考)プログラミングを学習すると問題解決力が身につくって本当?
この概念は、次世代を担う子どもたちにとって非常に重要なものであるということが、小学校から高校までの教育課程に組み込まれた「総合的な学習の時間」の狙いからうかがえます。
問題解決的な活動が発展的に繰り返される探究的 な学習とすること、他者と協同して課題を解決する協 同的な学習とすることが重要である。
この中で探究的な学習とは、問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動である、と解説されています。
- 【課題の設定】 体験活動などを通して、課題を設定し課題意識をもつ
- 【情報の収集】 必要な情報を取り出したり収集したりする
- 【整理・分析】 収集した情報を、整理したり分析したりして思考する
- 【まとめ・表現】気付きや発見、自分の考えなどをまとめ、判断し、表現する
こうした学習を体験してこなかった私たち親世代には、重要なのは分かるけど具体的にどうサポートしてあげたら良いか分からない、という人が多いのではないでしょうか。
なぜなら社会人となってからも、自分自身で問題・課題を発見する機会というのはそうあるものではなく、むしろ、与えられた課題を解決するために頭を悩ませる機会の方が圧倒的に多いからです。
子どもにとって大事であることは分かった。
でも「探究学習」とはどういうものなのかが具体的に分からない。。。
そこで8歳の息子を連れて、探究型の指導において有名な探究学舎の授業を実際に体験してきました。
ちなみに、私が体験前に抱いていた探究学習に対するイメージはこういったものです。
- 答えのないテーマに対して子どもたちが自由に発言し、思考や発想自体に重きをおいたディスカッションをする(?)
- 思考やディスカッションそのものに意味がある(?)(inputやoutputは重視しない)
- 探究学習は指導者と子どもとの関係において行われる(?)(親は見学 or 塾に預ける)
ところが実際に体験し、指導者の方々のお話を伺ってみると、そのどれもが間違っていることが分かり良い意味で裏切られたのです。
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