【ワークショップレポート】変身する公園をつくろう!
1/21(日)は久しぶりの探プロワークショップ(オープン)でした。
前回が11月の沼津での開催だったので、2ヶ月ぶりとなります。
そして気づかなかったのですが、ちょうど1年前はこんなワークショップをやっていたのでした。
一年前のこの日は初めての幼児向けプログラムを開催した日でしたね。
思いきってスタートしたこの「楽しい家をつくろう!」を皮切りに、2017年はたくさんの方々にお会いすることができました。
そして2018年。
公園をつくろう、のワークショップは実は1年半ぶりの開催でした。
他のプログラムと違って、このテーマは「ポリモフィズム」という少し変わったプログラミングの考え方を学ぶものになっています。
この考え方を活用することで、モノゴトを効率的に考える、創ることができるようになることを期待しています。
ポリモフィズムの考え方を取り入れている身近なものの例として、今回は「公園」をとりあげました。
ベンチとカマド、この2つの共通点はなんでしょう?
子どもたちからは、足がついている、上にモノを乗せる、などが出ました。
そして、その共通点を活かして別の用途にも使えるように造られたのが『かまどベンチ』です。
もう1つ。こちらはどうでしょう?
マンホールとトイレ。共通点は?
穴に流す、蓋がついている、などがでました。
このように、1つのものがいろんな用途に使えたら『効率が良い』ですよね。
簡単な言葉では一石二鳥、とも。
AとBの共通点は何か?
形を大きく変えずに変身させることはできないか?
そんなことを考えると、思いがけないアイデアが生まれることでしょうし、プログラミングの世界では
他の用途にも使いまわせるプログラムは効率的な設計ができている、と評価されます。
さて、そんなわけで今日のワークショップは「変身する公園をつくろう!」だったのですが、今回初めて和室会場での開催となりました。
雰囲気はこんな感じ。
小さなお子さんがヨチヨチと歩きまわったり、大人や子どもが自由に移動したりできる空間は和室ならでは、だと思います。
テーブルと椅子、のスペースではどうしても居場所が固定されてしまって、場合によっては保護者は遠巻きに見ているだけ、になることもあるのですよね。
今回は大人も子どもも、かなり熱中して取り組んでいたと思います。
和室開催良いですね!
最初はlittleBitsを使いこなすのに苦戦していた子どもたちでしたが、時間が経つにつれてどんどん使えるようになり、最終的には非常に興味深い作品をたくさん作ってくれました。
まずはこちら。
女の子2人組が作ったのはブランコと鉄棒。
littleBitsのモーターを使うことで、ちゃんと回転するんですよ。すごい。
続いてこちらは兄と弟で作った大作です。
向かって左端にあるのは風車、かと思いきや人が乗れるメリーゴーランドのようなアトラクション。
その回転を利用して発電し、真ん中にあるグローブ・ジャングルを猛スピードで回転させ、さらに隣にあるもう一つの風車(弟作)を回転させるという巨大装置でした。
他にも、遊びながら音楽を鳴らしたりライトアップしたりするシーソー(お母さん作)
遊び疲れたら泊まっていける公園(1階が宿泊スペース)。
光る噴水
はたまた、移動公園なんていうアイデアもありました。
今回面白い作品がたくさん生まれたのですが、「変身させる」ところまではなかなかいきませんでした。
これはコンテンツの方に問題があるなぁ、と反省です。
「変身」させるための共通機能の見つけ方、それを踏まえた設計、といったところを本当に理解し、使いこなすためにはまだまだステップが必要なんですよね。
いろんな要素を盛り込みすぎてしまったことを反省して、次回はまた違ったアプローチで臨みたいと思います。
今回は公園のプロである強力なパートナーと一緒に開催だったのですが
次回もしやるとしたら、「現在の公園が抱える問題をどうやって解決するか?」「社会の抱える問題を公園を使ってどう解決するか?」
なんてことができたら面白そうだねー、なんていう話を終了後にしていました。
また違った「公園をつくろう!」がお披露目できるように、引き続き頑張ろうと思います。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
【コラム】未来を生きる子どもたちが身につけるべきこと
明けましておめでとうございます。
2018年も、探プロはプログラミングを学ぶ意味と価値の探究に励み
皆さんにとって有益な情報と学習の機会を届けられるようチャレンジを続けていきます。
さて、新年最初の投稿は朝日小学生新聞の1月1日号に掲載されていたこちらの記事からです。
東ロボくんで有名な新井先生のお話です。
プログラミング教育についても触れられていて、とても本質をついていると思いました。
プログラミング的思考で大事なのは再現性
まさに。
人間がやるとムリ・ムラ・ムダが発生してしまうけれど
コンピュータがやると、いつでも、最小限のコストで、間違いなく同じ結果を出すことができる。
なぜなら、必ず同じ動きをするようにアルゴリズムが組まれているから。
これがつまり再現性。
記事の中では、この再現性を文章力として身につけることの重要性が書かれています。
動いた!できた!
の体験から学べることも多いかもしれません。
でもやはり、なぜ動いたのか?なぜ実現できたのか?
を自分の言葉で説明できること、それを再現性のある文章として伝えられること
を目指してほしいと思います。
私は、子どもたちにはこのアルゴリズムの考え方を知り、使いこなせるようになってほしいと思っていますし
探プロではアルゴリズムだけでなく、様々なプログラミングの考え方を含めて伝えていきたいと考えています。
こうした考え方を使いこなせることでまず、問題、課題を解決するチカラが身につきます。
ここまでができてコンピュータと同等。
すなわち論理的思考力を身につけることのお話です。
しかしAIが進化するということは、人間はコンピュータとは違う能力を身につけなければいけない、ということです。
この記事にあるようにAIには困難な「意味」の解釈によってより難しい課題に取り組むことが求められます。
ここからが創造的思考力の話です。
最近、中学受験業界で話題の「思考コード」は思考力を評価するための新しい枠組みですが、これを見ると、論理的思考力と創造的思考力の関係性がとてもよく分かります。
(首都圏模試センターのサイトより)
創造的思考力は、論理的思考力を抜きにしては身につかないのですよね。
両者を別ものとして捉えるのではなく、関係性を意識しておくことはとても重要です。
「これからは自分で課題を見つけ、自分で解決する能力を育てなくてはいけない」とよく言われますが、比較的単純な問題が解決できないのに、いきなり複雑な問題を解決するのは無理です。
まず、課題はどうやって見つけるのかというところから、しっかり教育していく必要があると思います。
探プロは、プログラミングの考え方を使って問題を解決するところだけでなく、問題発見もコンセプトの中に取り込んでいます。
参考:探プロのコンセプト https://www.tanpro-lab.jp/concept
複雑化の進む社会を生きる
子どもたちに必要なのは
ICT技術者を育てるための教育ではなく
社会の構造と繋がりを読み解くことその中から解くべき問題を発見したり
新しいサービスを生み出す力を育むこと
だと考えています。
探究型プログラミング学習では社会を通じて
“プログラミングの考え方”を学び
実践を繰り返しながら
次世代の子どもたちに必須の未来を創る力を
総合的に身につけることを目指します。
これまでの活動で、問題解決にプログラミングの考え方を活用し、論理的思考力を修得するための手法はそれなりに形にできたように思います。
今年は次のステップとして、社会の構造化にプログラミングの考え方を活用し、創造的思考力を修得するところの可視化に取り組むつもりです。
これまで以上に難易度は高い…
のですがやりがいはそれ以上です。
今年も引き続き、よろしくお願いします!
【レポート】探プロ感謝祭2017!ありがとうございました!
探プロの活動を本格的にスタートして1年、本当にいろんなことがありました。
念願だったカリキュラムの提供や小学校での授業など、目指してきたことが次々と実現した素晴らしいスタートとなった今年。
いつも応援してくださる方々や探プロに関心をもってくださる方々へのお礼を兼ねて、初めての感謝祭を実施しました。
会場は、8月のlittleBits体験会でもお世話になった、株式会社ココナラ様のオフィスです。
本当に素晴らしい会場で、いつも快く使わせてくださるココナラ様には本当に感謝しています。
ご来場くださった皆さまにも大変好評でした。
ありがとうございます!
午前・午後の2部制での開催でしたが、合わせて50名を超える方が遊びに来てくださり、おかげさまで大変盛況のうちに終えることができました。
来てくださった皆さん、本当にありがとうございます!
各回とも2時間で、前半の20分はlittleBitsミニ講座&アルゴリズム学習をしました。
お勉強の時間を入れようかどうか迷ったのですが、せっかく来てもらったのだし、ただ遊ぶだけでは探プロの想いを伝えられないと考えて少しだけ時間をもらうことにしたのです。
R2-D2やSphero miniなど、魅力的なオモチャがたくさんあったので、そちらに気を取られて進まないかな??
と心配していましたが
「最初に少しだけお勉強するよ~」
と声をかけると、皆んな真剣な表情で前を向くのです。
最年少は4歳、最年長は11歳と幅広いお子さんたちが集まりましたが、どの子もみんな、真剣に向き合ってくれたので本当に嬉しかったです!
プログラムとは「命令」の集まりであること、その「命令」の順番とルールがアルゴリズムであること、さっき自分の手で組み合わせたlittleBitsの回路が実はプログラムなのであり、つまりいつの間にかプログラミングを体験していた、ということが少しでも伝わっていると良いのですが。
パソコンを使わなくてもプログラミングの考え方を学ぶことはできます。
littleBitsのような教材を使えば、場所を問わず気軽に学べるし、何より手を使って動かしながら考えた体験はきっと記憶に残るはず。
こんなプログラミング学習の形もあるのだ、ということを知って頂くきっかけになったら嬉しいです。
そしてlittleBitsの使い方を覚えた後は、各自自由に遊ぶ時間としました。
今回のイベントでは、会場を貸してくださったココナラ様以外にもご協力を頂き、面白いプログラミング教材をたくさんご用意することができました。
KORG様よりDROID INVENTOR KITを11台(!)、世界中のプログラミングトイを扱っているcoporii様よりBB-8とSpheroシリーズの最新版であるminiをご提供頂きました。
本当にありがとうございます!
Edisonも加わって、会場はあっという間にロボットで埋め尽くされてしまいました(笑)
R2の組み立ては、保護者の方やスタッフと協力しながら進めたのでわりとスムーズでしたね。
中にはミッションを最後まで完了させた子もいたようです!
お兄ちゃん、お姉ちゃんに付いてきたチビちゃんたちも、物珍しそうにしながらも真剣な表情で(!)遊んでいましたね。
いやぁ、可愛い♪
最初から最後までずーっとR2で遊ぶ子や、R2には目もくれず、リモコンでEdisonを同時に3台動かす子、最新のおもちゃに飽きて最後にはlittleBitsに戻ってくる子などなど、自分の気の向くまま、自由に過ごしていました。
会場からはみ出して遊ぶ子も(笑)
特に幼児のお子さんたちは、Edisonにとても関心があるようでした。
形も動きもシンプルなところが良いのかもしれません。
以前の探プロのワークショップで関心をもってくださり、お子さんへのクリスマスプレゼントに検討されている方もいたりしてなんだか嬉しいです(^^
保護者の方々には、サイエンス倶楽部様のプログラミング講座をお勧めしておきました(^^
これまで、探プロのワークショップに関心をもって頂いても私自身は教室を運営しているわけではないので期待に応えることが難しかったのですが、こうして繋げることができとても嬉しく思います。
1年前にはまだまだ夢物語だったことが、こうして実現するなんて本当に嬉しい。
そして、最後は皆で記念撮影しました。
午前の部。
午後の部
うーん、笑顔が少ないのは楽しくなかったから、ではなくて遊び疲れたから、ということですよね?(笑)
今年1年、探プロを応援してくださる皆さんのおかげで本当に素晴らしい経験をさせて頂きました。
目標とするところはまだまだ遠く、やるべきことややりたいことがたくさん残っているので、来年もまた、これまで以上にプログラミング学習の本質に迫り、皆さんにお見せできるように頑張っていきます。
引き続き、よろしくお願いします!