【コラム】未来を生きる子どもたちが身につけるべきこと
明けましておめでとうございます。
2018年も、探プロはプログラミングを学ぶ意味と価値の探究に励み
皆さんにとって有益な情報と学習の機会を届けられるようチャレンジを続けていきます。
さて、新年最初の投稿は朝日小学生新聞の1月1日号に掲載されていたこちらの記事からです。
東ロボくんで有名な新井先生のお話です。
プログラミング教育についても触れられていて、とても本質をついていると思いました。
プログラミング的思考で大事なのは再現性
まさに。
人間がやるとムリ・ムラ・ムダが発生してしまうけれど
コンピュータがやると、いつでも、最小限のコストで、間違いなく同じ結果を出すことができる。
なぜなら、必ず同じ動きをするようにアルゴリズムが組まれているから。
これがつまり再現性。
記事の中では、この再現性を文章力として身につけることの重要性が書かれています。
動いた!できた!
の体験から学べることも多いかもしれません。
でもやはり、なぜ動いたのか?なぜ実現できたのか?
を自分の言葉で説明できること、それを再現性のある文章として伝えられること
を目指してほしいと思います。
私は、子どもたちにはこのアルゴリズムの考え方を知り、使いこなせるようになってほしいと思っていますし
探プロではアルゴリズムだけでなく、様々なプログラミングの考え方を含めて伝えていきたいと考えています。
こうした考え方を使いこなせることでまず、問題、課題を解決するチカラが身につきます。
ここまでができてコンピュータと同等。
すなわち論理的思考力を身につけることのお話です。
しかしAIが進化するということは、人間はコンピュータとは違う能力を身につけなければいけない、ということです。
この記事にあるようにAIには困難な「意味」の解釈によってより難しい課題に取り組むことが求められます。
ここからが創造的思考力の話です。
最近、中学受験業界で話題の「思考コード」は思考力を評価するための新しい枠組みですが、これを見ると、論理的思考力と創造的思考力の関係性がとてもよく分かります。
(首都圏模試センターのサイトより)
創造的思考力は、論理的思考力を抜きにしては身につかないのですよね。
両者を別ものとして捉えるのではなく、関係性を意識しておくことはとても重要です。
「これからは自分で課題を見つけ、自分で解決する能力を育てなくてはいけない」とよく言われますが、比較的単純な問題が解決できないのに、いきなり複雑な問題を解決するのは無理です。
まず、課題はどうやって見つけるのかというところから、しっかり教育していく必要があると思います。
探プロは、プログラミングの考え方を使って問題を解決するところだけでなく、問題発見もコンセプトの中に取り込んでいます。
参考:探プロのコンセプト https://www.tanpro-lab.jp/concept
複雑化の進む社会を生きる
子どもたちに必要なのは
ICT技術者を育てるための教育ではなく
社会の構造と繋がりを読み解くことその中から解くべき問題を発見したり
新しいサービスを生み出す力を育むこと
だと考えています。
探究型プログラミング学習では社会を通じて
“プログラミングの考え方”を学び
実践を繰り返しながら
次世代の子どもたちに必須の未来を創る力を
総合的に身につけることを目指します。
これまでの活動で、問題解決にプログラミングの考え方を活用し、論理的思考力を修得するための手法はそれなりに形にできたように思います。
今年は次のステップとして、社会の構造化にプログラミングの考え方を活用し、創造的思考力を修得するところの可視化に取り組むつもりです。
これまで以上に難易度は高い…
のですがやりがいはそれ以上です。
今年も引き続き、よろしくお願いします!
【レポート】探プロ感謝祭2017!ありがとうございました!
探プロの活動を本格的にスタートして1年、本当にいろんなことがありました。
念願だったカリキュラムの提供や小学校での授業など、目指してきたことが次々と実現した素晴らしいスタートとなった今年。
いつも応援してくださる方々や探プロに関心をもってくださる方々へのお礼を兼ねて、初めての感謝祭を実施しました。
会場は、8月のlittleBits体験会でもお世話になった、株式会社ココナラ様のオフィスです。
本当に素晴らしい会場で、いつも快く使わせてくださるココナラ様には本当に感謝しています。
ご来場くださった皆さまにも大変好評でした。
ありがとうございます!
午前・午後の2部制での開催でしたが、合わせて50名を超える方が遊びに来てくださり、おかげさまで大変盛況のうちに終えることができました。
来てくださった皆さん、本当にありがとうございます!
各回とも2時間で、前半の20分はlittleBitsミニ講座&アルゴリズム学習をしました。
お勉強の時間を入れようかどうか迷ったのですが、せっかく来てもらったのだし、ただ遊ぶだけでは探プロの想いを伝えられないと考えて少しだけ時間をもらうことにしたのです。
R2-D2やSphero miniなど、魅力的なオモチャがたくさんあったので、そちらに気を取られて進まないかな??
と心配していましたが
「最初に少しだけお勉強するよ~」
と声をかけると、皆んな真剣な表情で前を向くのです。
最年少は4歳、最年長は11歳と幅広いお子さんたちが集まりましたが、どの子もみんな、真剣に向き合ってくれたので本当に嬉しかったです!
プログラムとは「命令」の集まりであること、その「命令」の順番とルールがアルゴリズムであること、さっき自分の手で組み合わせたlittleBitsの回路が実はプログラムなのであり、つまりいつの間にかプログラミングを体験していた、ということが少しでも伝わっていると良いのですが。
パソコンを使わなくてもプログラミングの考え方を学ぶことはできます。
littleBitsのような教材を使えば、場所を問わず気軽に学べるし、何より手を使って動かしながら考えた体験はきっと記憶に残るはず。
こんなプログラミング学習の形もあるのだ、ということを知って頂くきっかけになったら嬉しいです。
そしてlittleBitsの使い方を覚えた後は、各自自由に遊ぶ時間としました。
今回のイベントでは、会場を貸してくださったココナラ様以外にもご協力を頂き、面白いプログラミング教材をたくさんご用意することができました。
KORG様よりDROID INVENTOR KITを11台(!)、世界中のプログラミングトイを扱っているcoporii様よりBB-8とSpheroシリーズの最新版であるminiをご提供頂きました。
本当にありがとうございます!
Edisonも加わって、会場はあっという間にロボットで埋め尽くされてしまいました(笑)
R2の組み立ては、保護者の方やスタッフと協力しながら進めたのでわりとスムーズでしたね。
中にはミッションを最後まで完了させた子もいたようです!
お兄ちゃん、お姉ちゃんに付いてきたチビちゃんたちも、物珍しそうにしながらも真剣な表情で(!)遊んでいましたね。
いやぁ、可愛い♪
最初から最後までずーっとR2で遊ぶ子や、R2には目もくれず、リモコンでEdisonを同時に3台動かす子、最新のおもちゃに飽きて最後にはlittleBitsに戻ってくる子などなど、自分の気の向くまま、自由に過ごしていました。
会場からはみ出して遊ぶ子も(笑)
特に幼児のお子さんたちは、Edisonにとても関心があるようでした。
形も動きもシンプルなところが良いのかもしれません。
以前の探プロのワークショップで関心をもってくださり、お子さんへのクリスマスプレゼントに検討されている方もいたりしてなんだか嬉しいです(^^
保護者の方々には、サイエンス倶楽部様のプログラミング講座をお勧めしておきました(^^
これまで、探プロのワークショップに関心をもって頂いても私自身は教室を運営しているわけではないので期待に応えることが難しかったのですが、こうして繋げることができとても嬉しく思います。
1年前にはまだまだ夢物語だったことが、こうして実現するなんて本当に嬉しい。
そして、最後は皆で記念撮影しました。
午前の部。
午後の部
うーん、笑顔が少ないのは楽しくなかったから、ではなくて遊び疲れたから、ということですよね?(笑)
今年1年、探プロを応援してくださる皆さんのおかげで本当に素晴らしい経験をさせて頂きました。
目標とするところはまだまだ遠く、やるべきことややりたいことがたくさん残っているので、来年もまた、これまで以上にプログラミング学習の本質に迫り、皆さんにお見せできるように頑張っていきます。
引き続き、よろしくお願いします!
【コラム】プロ・テック倶楽部様の幼児向けプログラミング講座が盛況のようです
幼児向けプログラミング講座のカリキュラムを監修させて頂いているサイエンス倶楽部様にて先日、開講後の様子を伺ってきました。
正式な開講は次年度ですが、11月から始まったお試しコースが既に大盛況のようです。
全く宣伝をしていないにも関わらず、既に会員は250名を突破したとか。
もともと、幼児向けプログラミング学習の潜在ニーズは非常に大きかったようで、口コミであっという間に枠が埋まってしまい、教室によってはクラスを増設して対応されています。
対象は年中、年長、小1、小2と少し幅がありますが、どの年代の子たちも夢中になって取り組んでいるようでとても嬉しいです。
年中さんは保護者と一緒に参加していますが、年長さんからは1人参加です。
小学生も混ざっているので、教室によっては年下の子を気遣って生徒同士で教え合う姿も見られるそうです。
とってもいいですね!
1回目の講座はEdisonをバーコードで動かすものですが、音や光に反応して動いたり、する様子を見るだけでも、子どもたちにとっては刺激的なようで
とっても盛り上がっているのだとか。
おかげで、他のサイエンス系講座を受講している会員の保護者からは怪訝な顔をされる...ようですが、楽しんでくれているのは何よりです。
第2回目の講座からは、いよいよPCを使ってのプログラミングを始めるわけですが、ここで初めてパソコンに触れ、マウスを使う子たちが大半です。
一昔前であれば、パソコンのあるご家庭もそれなりにあったと思うのですが、スマホやタブレットが浸透したこの頃では、パソコンを見ずに育つ子どもも多いのではないかと思います。
小さな手で大人用のマウスを扱うのに苦戦しながらも頑張ってます
といったお話を聞くと、幼児の子たちの目には、パソコンやマウスというツールはどんな風に映っているのだろう?
と興味深いです。
パソコンを使って画面上のブロックを並べること=プログラミング
というのはプログラミング学習の一側面でしかありません。
プログラミングそのものを学ぶのではなく、あくまでもプログラミングの考え方を学んでいるのだ
というところを、12回の学習を通じて一つずつ、伝えていければと思っています。
例えば、探プロではプログラムのことを「命令」の集まりと定義していますが。
これだけで終わると、プログラミングというのはパソコンを使うこと、ロボットを動かすこと、画面上のブロックを組み合わせること、といった理解になってしまいます。
そこで、身近なところにあるプログラムを紹介します。
では、これはどうでしょうか?
「命令」の集まりと捉えれば、これもプログラムのはず。
でも、違うって分かりますよね。
何が違うと思いますか??
答えは、命令によって "いつも同じ動き" をするかどうか?
の違いです。
お母さん自身にとっては、子どもはロボットじゃない、ってことに気づくきっかけになったりして?(笑)
ちなみに、運動会や演奏会のプログラムも、立派なプログラムです。
1つ1つの項目が、必ずいつも同じ動きをするからです。
第3回目以降は、アルゴリズムやインタフェースといった学習に入っていきます。
年中で??
と思われるかもしれませんが、基本的なプログラミングの考え方というのは、年齢に関係なく理解できるものだと思っているので
幼児だろうか小学生だろうが、そして大人だろうが、伝えることは同じです。
ただその考え方の活用範囲が、少し違うだけだろうと思っています。
幼児向けのプログラムでは、自分自身と家庭、幼稚園・保育園や小学校、といった範囲を「社会」と捉えているので
その「社会」の中で、プログラミングの考え方がどう関係しているのか?
いかに自分ごととして捉えることができるか?
そこを最も重視してコンテンツを作っています。
Edisonで遊ぶだけじゃないんですよ!
もし、講座に通われている方でこのBlogを読んでくださっている方がいたら是非、感想を教えてください。
この講座を通じて何か1つでも、新しい気付きが生まれると良いなぁ、と願っています!