探究型プログラミング学習(探プロ)

プログラミングの考え方を学んで、未来を創る力を手に入れる

プログラミングの考え方を学んで未来を創る力を手に入れる

『ルビィのぼうけん』勝手に超訳 Vol.06

ずいぶん間が空いてしまいましたが、以前の連載を再開しようと思います。

 

去年の夏頃に出た『ルビィのぼうけん』という本の超訳です。

『ルビィのぼうけん』特設サイト

 

エンジニアでもある著者が、女の子や子どもでもプログラミングに親しみをもてるように

その考え方を可愛らしいイラストの絵本形式で紹介しているものです。

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発売当初は、国内でもイベントがあったりして話題となりましたが

その後、どうなのでしょう?

 

見た目かわいらしい絵本ですが、手にとって私が最初に感じたのは

「難しすぎる…」

ということでした。

 

絵本という手段は良いのですが、プログラミングの概念を抽象化しすぎていて

絵や物語ではかえって伝わらないように感じました。

(分かる人には分かって、なるほどね、とニヤッとする感じ、ですね)

 

後半にある大人向けの説明は親切に書いてあるので

内容は理解できると思うのですが、絵本との繋がりが分かりづらいんですよね…

 なので、前半の絵本と後半の解説が分断されてしまっているように感じます。

 

それに、この本に書いてある考え方が理解できたとして

それで?

というところがフォローされないので、読者としては受け止め方に迷うのではないでしょうか。

 

理解できている人にとっては、なるほどね、そういう表現&説明のやり方があるのね

と読めますが

そうでない人にとっては、著者が求めるところに全くたどり着けないのではないか?

 

という問題意識が、この超訳を始めたきっかけです。

ちなみに、第一回はこちら。

『ルビィのぼうけん』勝手に超訳 Vol.01 - プログラミングの考え方を学んで未来を創る力を身につける『探究型プログラミング学習』

 

 

さて、前書きが長くなりましたが。

 

第5章のユキヒョウのお話から続けます。

 

この章は比較的、分かりやすいですね。

テーマは「繰り返し」です。

 

モチーフとして、ユキヒョウの身体の斑点模様だったり、宝石が乗ってしまった屋根の柄だったり

ルビィが作ったハシゴだったり

とあちこちでこの「繰り返し」の結果生まれたパターンを可視化した表現があります。

 

ユキヒョウは機嫌が悪い

と書いてあるのですが、それはこの美しいパターンを宝石によって邪魔されたからなんですよね。

繰り返しによって生まれるパターンは美しい

という感性なのでしょうが、なるほどと思ったり思わなかったり…

 

大人向けの解説のところには、ループ処理を体験するために、絵を並べたり踊ってみたり

といったワークが紹介されています。

 

それもまぁ、良いと思うのですが、繰り返しの概念をプログラミングの中で使うときは

繰り返すための条件(始める条件、続ける条件、終わる条件)

をちゃんと設定できることが重要です。

 

それを間違えると、いわゆる無限ループに陥ります。

(永遠に終わらなくなってしまう)

 

 

繰り返しの概念自体は幼児でも理解できるので

むしろ、繰り返すための条件をどうやって設定するのか?

ということを考えるきっかけにすると、面白くなるように思います。

 

ということを、次回書いてみます。

プログラミングと子育てをテーマに座談会をしました

昨日は初めての座談会でした。

子どものプログラミング学習を考えよう

 

ダイバーシティというテーマの中で、親と子という関係の新しい学び合いの形を考えているNPO法人GEWEL ダイバーシティー & インクルージョン推進活動、ビジネスリーダーの育成さんとの協働開催です。

 

日曜日の朝一という時間帯でしたが、熱心な3名の保護者が参加してくれました。

なんと、全てパパさん!!

 

お子さん連れで参加してくださった方もいたので

話をしつつ、子どもたちはlittleBitsやLEGOで遊びつつ

といった感じで、終始のんびりムードの2時間でした。

 

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初めての座談会で段取りが悪く…

最初に皆さんから自己紹介をしてもらうのを忘れてしまったのですが

半ば強引な意見交換の促しにも関わらず、皆さん快く応えてくださってありがたかったです。

 

時間配分は当日の様子を見ながら…

と思っていたので、話の流れから半分くらいは探プロの話をさせて頂きました。

 

どの程度お役に立てたかは?なのですが

個人的には、とても大きな気づきがありました。

 

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次世代を担う子どもたちには、少なくとも幼少期には

プログラミングのやり方ではなく、プログラミングの考え方を身につけてもらいたいと私は考えています。

 

なので探プロでは、子どもたちが将来、いろいろな場面でその考え方を応用してもらえるような学習の形を提案しています。

 

一方で、その保護者である大人は、プログラミングというものをどう捉えているのだろう?


というところが、今ひとつ掴めないでいたのですが、今日のお話の中に少しヒントがあったような気がしています。

 

プログラミングを経験してこなかった大人世代は、そもそもプログラミングがどんなものなのか?
何を学べば何ができるのか?


ということがイメージしづらいので、子どもたちが体験するプログラミングが、将来どんな形で仕事に役立つのか?


といった繋がりを理解できることが、もしかしたら重要なのかもしれないなぁ、と思いました。

 

そうしないと、家庭の中でお子さんと一緒にプログラミングを学ぶ、ということ自体が難しくなってしまうでしょうから。

 

プログラミングを学べば論理的思考力がUPする!
のようなスキルの話ではなく、実務的にどう役に立つのか?


ということを、もう少しイメージできるような伝え方、学び方というものを意識することが求められているのかもしれない


というのが、大きな気づきでした。

 

最近よく、プログラミングは大人も学ばないと!

という話をされるのですが

何を知りたいのですか?

と聞いても、プログラミングが分からないのですがら、何を知りたいのかも、ご本人はよく分かっていなかったりします。

 

私は、子どもだろうが、大人だろうが、即戦力となるプログラマーを目指すのでなければ

とりあえず、その概念、考え方を学んでおけば良いと思っていますが

私の伝え方が足りないこともあり

実際の実務との繋がりがまだ、イメージしづらいことが多いようです。

 

探プロは子ども向けの学習コンテンツですが

果たしてこれは、このままの形で大人にも通用するのか?しないのか?

もう少し吟味が必要なようです。

 

もし大人には通用しないとなったとき、探プロは方向性を見直すべきなのだろうか?

ということを今日一日、考えてみたのですが

今の時点では、NO、ですね。

プログラミングスキルを習得するのが目的なのであれば

それは他のコンテンツにお任せすれば良いので

探プロはあくまでも、考え方にフォーカスしていこうと。

 

なぜなら、それが一番、応用が効くと考えているからです。

 

 

さて、次回からはまた、『ルビィのぼうけん』の超訳にチャレンジしようと思います。

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【ワークショップレポート】未来の街を旅しよう!その7(完)

ようやく最終回です。

 

LEGOとlittleBitsを使って自分の作品を命令に見立て

それぞれの命令ブロックを拠点として

街(プログラム)をつくり

旅の行程(アルゴリズム)を決めて

実際に動かす(プログラミング)

というのがこのコンテンツの一連の流れでした。

 

今回は順次構造というシンプルなアルゴリズムなので

ストーリーを口頭で話しながら、順に命令を動かしていく

という発表スタイルとしました。

 

複雑になったら、地図を描くなどしてアルゴリズムを何かしらの形で表現できると良さそうですね。

 

今回のワークショップの雰囲気をお伝えするために

最後のプレゼンテーションまでを含めた動画を作成しましたのでご覧ください。


 

その3の投稿では、今回のワークショップでは4つのチャレンジをしていると書きました。

  1. いつもの紙工作ではなくLEGOを使うことで創造力をさらに高められるか?
  2. 発散系の創造的思考と収束系の論理的思考を同時に使いこなせるか?
  3. プログラミングの考え方(今回はアルゴリズム)を学び、理解した上で使いこなせるか?
  4. ファシリテーターの説明だけで子どもたちは理解できるか?(TAはどの程度の介在が必要か?

 

このうちの2の、創造的思考+論理的思考を同時に使う、という部分が、今回の旅のプログラミングになります。

論理的思考だけでもプログラミングの話はできるのですが、それだけだとつまらないので

子どもたちのワクワク感をどこまで高められるか?

というところが、面白いコンテンツを作る醍醐味であり、難しいところでもあるのだと思います。

(楽しい!に偏りすぎると、遊び要素が強すぎて学びの部分が減ってしまうんですよね...)

 

チャレンジ4の子どもたちだけで理解できるか?

に関しては、やはり相当難しいようなので...

説明自体をもっとシンプルに見直すのはもちろんではあるものの

TAの存在はあること前提で考えていく必要があるとあらためて実感しました。

というわけで、TAを引き受けてくださるかた大募集中です!

 

保護者の方々から終了後に頂いたアンケートでは

100%の方から、次回も参加したいという回答を頂きました!

もう少しワークをやらせてあげたかった、という声と、時間配分はちょうど良い

という声は半々くらいでしたが

実際にやってみた感じだと、2時間の枠でちょうど良い(子どもたちの表情に少し疲労感があった)かなと思いました。

高学年が中心であれば、もう少し難易度を上げて&難しくしてもいいですね。

 

 

課題はたくさんあるのですが、実際にやってみたからこその収穫なので

今回の経験とフィードバックを踏まえて、次回はさらにバージョンアップしてお届けしたいと思います。

 

(土日祝日限定となりますが)都内近郊であれば、開催できますので

関心のある方は是非ご連絡ください!

 

@tanpro-lab